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13-19 次の一手

 夜通し騒いだ宴会は、全員その場に雑魚寝という結果となった。

 寝床の数も足りないし、ちょうど良いと言えばちょうど良い。


 頭の方は痛みなど無く、今回は二日酔いにならなかったようだ。

 エルフとの宴会ではかなり飲んだが、今回は夏鈴らが制限をかけていたので助かったのだろう。

 ……なんか、管理され(尻に敷かれ)ている感じがするけど、あまり気にしないでおく。



 それにしても、昨晩大声を出したからか、今はかなりスッキリした感じではある。

 地獄に落とした連中のことなどに囚われず、開き直ることが出来たようだ。


 そんなわけで、俺はそろそろ起き上がる事にしたが。


「夏鈴、凛音、莉菜。ほら、起きてくれ」


 俺にしがみついたまま寝ていた三人娘を起こす方が先だ。

 しがみついているのが一人ぐらいならそのまま起き上がることも出来るけど、三人はさすがに無理だ。

 三人娘はゴブニュートなので背が低く体重も軽いとは言え、体重の合計は100kg以上は――


「ぐぇ」

「申し訳ありません、創様。何か、不快なものを感じてしまい、思わず腕に力が」


 三人の目は覚めたようだが、口には出していなかったが、体重をネタにしたことで締め付けられてしまった。

 特に夏鈴は首に手を回していたので、思いっきり息が詰まったよ。




 三人娘を身体から剥がして立ち上がる。


「もう、大丈夫みたい」


 地面で寝ていて固くなった身体をほぐすように動かしていると、夏鈴がぽつりと言葉を漏らした。


 多分も何も、俺の表情のことだろう。

 吹っ切ったから気分はスッキリしているし、身体の調子も良さそうだ。

 それが表情に出ていれば、心配をかけることもない。





「創様。この後はどうしましょうか?」

「それなんだよなぁ。どうしようか」


 気分がスッキリしようが、俺の周辺の状況がスッキリしたわけではない。

 俺は相変わらず殺人事件の容疑者であり、容疑が晴れたわけでは無い。

 岐阜市の警察署でトップだった我妻を拉致したので、その件で何か進展があるかもしれないから、少し状況の変化を見るだけでいい気もする。


 拉致するのに使った人員、下忍衆は新設したばかりで、物的証拠で俺が容疑者になることは無い。

 状況的証拠というか、他の事件の容疑者だからと関連付けで無理矢理容疑者にするかもしれないが、その時はその時だ。それこそ、どこかに隠れている黒幕が何かしたという事で、分かりやすくていい。


 よくある「組織の末端を潰すことが出来ても、黒幕に辿り着くことが出来ない」という状況も、末端を全て潰していけば、そのうちなんとかなる気はする。

 とりあえず岐阜市と大垣市、神戸町のあたりから一掃するぐらいは可能だし、この世界で複数の街に影響を及ぼせる人間は限られるので、やる意味はある。


 末端がゴキブ○で、黒幕は○キブリの巣。

 巣に毒を運ばせて一網打尽、とはいかないが、ゴキがいなくなれば巣に意味は無いのである。



「しばらく様子見。動いた奴が居たら、その都度対処。ほぼノープランだが、これでいくよ」

「はい。それで問題無いかと」


 ノープランの様子見でも方針を示したことに意味がある。

 ここからは何が起きるかの予測と、その予測に対する対処を事前に打ち合わせておく程度かな。



 美濃の国主はどう動くかね?

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