表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/74

17話・ダンスの練習は必要ですか?


 翌日からナツはガイムに扱かれていた。シャルロッテを相手にエスコートやダンスの練習をさせられている。なんでもマニス殿下が近々パーティーを開き、その場でシャルとの婚約破棄並びに、新たな婚約者を紹介するらしいとカウイ氏が聞きつけてきたことで、その日に乗り込む事にしたらしい。


 ナツ達はそのパーティーで殿下の仕出かしたことを告発することに決めたらしいのだけど、でもね、このダンスの練習とかって必要ある? 

 ダンスに参加するわけじゃないんでしょうに。シャルはナツにエスコートされて嬉しそう。面白くないわ~って、広間で踊る二人を見ていたらナツと目が合った。


 こちらをちらちら気にしてる。余所見なんかしちゃって大丈夫かしら? 足元がお留守になっているわよ。ガイム先生、眉間に皺が寄ってる。


「おい、ナツ。チョコの様子が気になるのは分かるけど、練習に集中しろ」


 ほらガイム先生に注意されたわ。ナツ、注意力散漫よ。



「あっ。痛……」

「済まない。シャル」

「いいえ。……気になさらないで……」

「今日はここまでにしておこう」


 ナツはシャルの足を思い切り踏んでいた。あれはかなり痛そうね。


「女性の足を踏むってなかなか無い事だぞ? その逆はいくらでもあり得るけど」

「悪かったな。不慣れなんでな」


 ガイムがナツに嫌味を言っていた。可愛い従妹の足を踏まれて面白くないなら、パートナーはあなたが務めればいいじゃない。ナツを巻き込まないでよね。

 ナツは、ダンスなんて元の世界でもやったことないって言ってたんだから仕方ないでしょう。

でもこれでもしかしたら、ガイムは呆れて自分がシャルの相手を務めることにするかもしれない。そしたらわたしはこのもやもやした気持ちを抱えなくて済むわよね。



「武術とだいたいコツは一緒だぞ」

「……?」

「まあ、頭で考えずにやることだな。ナツなら体を動かしていくうちに気がつくさ」



 ガイムは、ナツをシャルのパートナーから外すことは考えてないみたい。少しだけ期待したわたしは、「なあんだ」と、ガッカリした。


 シャルを見れば、部屋の隅に座りナツに踏まれた足を擦っていた。あれはさすがに痛いわよね。ナツのした事だし、後始末しますか。


「ありがとう。チョコちゃん」


 シャルの踏まれた足に鼻先で触れたら「痛みが和らいだみたい」と、声が返ってきた。え? そうなの? わたしまだ何もしてないのに? おかしいわね。でも治癒の力が彼女の足を包んでいた。


(もしかしてこの子……?)


 疑問がわく。シャルにはもともと治癒の力があるのではないかと。本人が気が付いてないだけなのか、気が付いているけど隠しているとか? 

 シャルは何か考え事をしていて、わたしを抱き上げるとガイムと一緒にいるナツの元へ足を運んだ。


「ナツさま。ちょっと宜しいですか?」


 ガイムがそれを聞いて「頑張れよ」と、ナツの背中を叩く。その態度に驚いた。もしかしたらガイムはシャルを応援しているの? ナツは鈍感で気が付いてないみたいだけど。彼のその態度は気に障った。


「さっきは悪かったな」

「もう気にしないで下さい。大丈夫ですから」


 シャルは人目のない場所へとナツを誘導した。これって何だか今から重大発言が出そうな気がする。わたしこの場にいても良いのかしら? 自分のことじゃないのにそわそわしてくるわ。


「ナツさまに聞きたいことがありました。ナツさまはまだ……、その、アロアナ姫の事を思われていますか?」


 シャルが言いにくそうに切り出した。わたしはナツが何と答えるか分からずどきどきした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ