ジョーク
突然の問いに私は返す言葉をなくし、答えることができずにいると少女は問いを続けてきた。
「こんな夜中に一人で来たってことはもしかして自殺志願者?それとも心霊スポット巡りでもしてるのかな?」
なぜこんな時間に中学生か高校生かはわからないが、少女が一人でいるのだろうかとか、いつからそこにいたのだろうかとか次々に疑問は浮かんできたのだがそれを言葉にすることは出来なかった。
かといって素直に自殺しに来ました等と言えるはずもなく、少女の問いに対しての後者を選んだ。
「そ、そうだよ。心霊スポットを見に来たのさ。何分無職だから暇でね。」
「そっかー。そうだよね。自殺なんてしても意味なんてないもんね。そんなことしなくてもおじさん一週間後に死ぬしね。」
ここでまた疑問。
少女は一週間後に私が死ぬと言ったのだ。
なぜそのようなことがわかるのかと、一瞬考えたがこれは少女の他愛もない冗談であると思った。
人に見られながら死ぬという気も起きず、ましてや少女に話しかけられたことにより、今飛び降りるという考えは既に抜けていた。
なので少女にの冗談に少し乗ってやろうと思いこちらも問い掛けた。
「そっかー。おじさんは一週間後に死んじゃうのかー。ちなみに死因は何?」
「うんとねー。そこまではわからないんだよね。ただいつ死ぬかっていうのが見えるんだ。」
「それで一週間後ってのが見えてるんだね。まあやりたいこともないし死んでもいいかな。」
「…。じゃあさ、おじさんちょっと私に付き合ってくれる?て言っても大したことじゃないんだけどさ。」
どうせ死のうと思っていたのだから今更何を断る理由もないので、首肯する。
「じゃあちょっと車でドライブしようよ。」
少女は嬉々として助手席に乗り込み既にシートベルトを締め準備万端と言ったところだ。
思うことは色々あったが私は運転席に乗り、キーを回し込みエンジンをかけた。
すると先程かけていたロックバンドの曲が大音量でかかり一瞬心臓が跳び跳ねた気がした。
「びっくりしたー。おじさんって見掛けによらずロッカーなんだね。」
少女はにやにやして言った。




