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厄災令嬢は王太子殿下の元婚約者でした  作者: はるくうきなこ


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39/39

39やっと告白です(最終話)


  私はすぐに屋敷に帰りユリウス様と婚約契約書を交わした。その場にはユリウス様のお父様も私の父もいて婚約はすぐに整った。

 父は元のオールデル公爵に戻り母も公爵夫人として父のそばにいた。

 コニアは私の侍女として屋敷に戻りシャロンの侍女をしていたノイアももう一度公爵家で働く事になった。



 ガイアスは多くの罪を犯していて処刑が決まった。ガクセン元財務局長トレント元騎士団長はキャベル公爵が手を付けようとしている新たな鉱山開発の労働者となる事になった。

 リチャード・ドボーヌ子爵は領地没収、爵位剥奪、そして汚染されたリーブル川流域の感染除去の労働者として働くことになった。身分を隠すことなく働くことで周りの平民からもかなり厳しい扱いを受ける事が予想された。

 そのせいかリチャードは半年もしないうちに過酷な労働に耐えきれず命を落とした。

 だが、誰もそれを哀れと思う人はいなかった。

 シャロンと母親のナージャは北の修道院に行くことになった。北の修道院は戒律が厳しく死ぬまで外に出ることはかなわない修道院だった。



 私は公爵令嬢になっても救護院で薬師として働いた。王宮の薬師も考えたがユリウス様がアルベルト国王と会わせたくないと言ったせいもある。

 ううん、私も王宮で働くつもりはなかった。

 ユリウス様はアルベルト国王の側近をやめてオールデル公爵の後継者として父と一緒に領地に行ったりして日々忙しくしている。

 つまり結婚していなくても彼はいつも近くにいると言う事だ。


 そんな時、ブガリア国王から正式な国交回復の話があり私達がその調印式に行くことになった。

 私と両親とユリウス様、お父様のレイモンドと一緒にブガリア国を訪れた。

 お母様の兄である国王は青銀色の髪で橙色の瞳をしていた。幼い頃会っているがすっかり忘れていた。

 「ディアナか?大きくなったな。ずっと前に見た時にはアリアに甘えて泣いてばかりいた。さあ、そばにおいで」

 謁見の場で国王からハグされてユリウス様から嫉妬された。

 おまけに王城にはレオンがいて、彼は国王の影として仕えている人だった。

 久しぶりに会った彼は元気か?って相変らずの口調だった。こんな人が国王の?なんて思ったがきっとレオンなら国王に尽くすに違いない。 

 他にもユリウス様のお兄様のカイン様がいて驚いた。

 カイン様は商売を手広くやっていてドボーヌ子爵領で採っていた鶏冠鉱の解毒について色々調べていたらしい。

 そしてレイモンドの妻のミリア様もブガリア国シュルク辺境伯の出身と言う事もあってこれから先ブガリア国との付き合いは多くなりそうだ。



 それでもその都度ユリウス様がそばに寄り添ってくれる。

 いつでも私を優先してやりたい薬師の仕事にも口出ししない。

 疲れた顔をして帰って来るとそっと抱き上げてベッドに連れて行ってくれる。

 私が作った薬湯なのにいつの間にか彼の方が淹れ方がうまくなっている。

 武骨で不器用な優しさがこの半年、いやもっと前から受けた傷をそっとふんわりと包み込むように癒してそして治してくれている。

 私にとってユリウス様はもうなくてはならない存在になりつつある。

 でも、彼にとって私の存在はどうなんだろうと思った。

 だって、あれから一度も好きって言われない。もちろん婚約を申し込まれたのだから好きなのだろう。そのはず。でも、彼にとって私は‥

 悶々とする日が続いてある日彼に尋ねた。

 「ユリウス様、私はあなたの役にたっていますか?」

 「なんだディアナ、どういう意味?」

 ユリウス様が驚いたように尋ねた。

 「いえ、私はあなたに凄く助けられている。いつだってそばにいてくれて私に安心を与えてくれる。でも、私はあなたの役に立ってるのかって‥」


 ユリウス様は私の手をぎゅっと握りしめた。その瞳には言い知れない圧がある。

 「ディアナがそばにいるだけで心が満たされる。君にお茶を煎れる事も、君の心配をする事も、一緒に食事するのだって買い物に行くのも、とにかくディアナ、君といるだけで俺は癒されている。役に立ってるかってそんな事決まっている。君がいないと俺は生きていけない。二度とそんな事言わないでくれないか?」

 「うん、ごめん。そんな風に思われてるって」

 「思わなかった?じゃあ、君を愛してるって証拠をあげる」

 ユリウス様が私の顎を指先で上げた。目の前に彼の顔がある。そのまま彼の顔が近付いて来て私は恥ずかしくて目を閉じた。


 その瞬間、唇が重なった。

 少し乾いたそれでも柔らかな感触。そっと触れたと思うと一度離れてすぐに今度は押し付けられるように激しい口づけだった。

 何度も何度も唇を押し付けてそれでも互いを求めるように唇が重なって、強く抱きしめられ、私も彼を抱きしめ返した。

 やっと唇を解放されると「愛してるディアナ。心から愛してる。俺を信じて」苦し気な言葉が落ちて来た。

 「もう、ユリウス様。狡い。愛してるは先に言うものよ。そんな息切れして言うなんて‥でも、うれしい。私も愛してます。ユリウス様あなたを愛してます」

 「ディアナ!!」

 私はユリウス様にさらに抱き寄せられた。

 「く、くるしぃ‥」

 「ご、ごめん。ついうれしくて」

 「わたしも」

 幸せを噛みしめた。


 拙い二人の告白がやっと言葉になった。



 おわり


 最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

 ディアナの両親が生きている展開はいかがでしたでしょうか?楽しんでいただけたら嬉しいです。

 次回作も頑張ります。またよろしくお願いします。はなまる






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