空城隕石 六月下旬 日曜日5
本日三回目
ダメだ。命のやり取りをして、緊張の糸が途切れたせいで、
「どうかしたの?」
「いえ、なんでもありません。部長」
部長の尻が気になってしょうがない!
いやー、こうして山道を進んでいると、前を歩く部長の尻が良い位置にくるんだよね。
なにもしなくても、俺の目の前に部長の形の良い尻。
素晴らしい。
スカート越しだけど、それが余計に想像を!
「来たよ」
「むっ」
妖魔の気配がして、無理矢理俺はスイッチを入れる。
乗用車が一台が通るのがやっとの山道、その狭い開けた空から、ふわふわと降り立つ・・・・・・。
「魔物娘!!!」
「「え?」」
俺の叫びに驚く部長と魔物娘もとい、白い美しい蝶々の羽の妖魔。
しかし、分かっているな。この女妖魔は!!
顔立ちも肌もかなり人間に近い、そして綿毛のようなもので、両腕と両足を包み、見えちゃいけない、大事な場所はビキニのようにかなり際どい感じで、隠している!!
スタイルもなかなかの大きさだ。
良し、写真を撮ろう。
「あの、写真を撮っても良いですか!?」
俺の叫びに、部長の蹴りが飛んできた。
痛い!!
「・・・・・・えっと、貴女達。帰るつもりはあるかしら?」
「それはない」
「ええ、後輩が誘拐されている可能性がある以上はね」
「そう、なら。ここで死んでもらうわ」
その言葉と同時に、キラキラと何かが周囲に現れて。
「鱗粉! 息を止めて離れて!! 吸ったら何が起こるか分からない!」
その言葉に、俺は即座に息を止めて、距離を取る。
「良い判断で。けど、既に貴方達は罠にはまっているわっ!」
蝶の妖魔はそう言うと、妖力を羽に集めはじめて、
「食らいなさい!」
「しまった!」
「げ、これは」
突風が周囲を襲い、地面や木々や葉にうっすらとだが、少量でも強力な鱗粉が俺たちの周囲を包み込む。
まずい、息ができない。
というか、目にもヤバイ気がする。
「身体と服にも沢山ついたわね。そこでおとなしく遊んでいなさい」
声だけしか聞こえないが、蝶の妖魔はその場から去って行く。
何故、攻撃してこない?
だが、今のうちにここから一度離れて、鱗粉をどうにかすれば。
そう思っ他直後、俺は横脇腹に衝撃と痛みを感じて、その場に転倒した。
「な、なんだ?」
「メテオ君」
反射的に目を開けてしまった俺が見たものは、
「前からメテオ君に聞きたいことがあったの」
とても、邪悪な笑みを浮かべた部長だった。
「ぶ、部長?」
「メテオ君ってさ、エッチなことして、殴られるとき、何で避けないの?」
避けられないだけです。と答える前に部長は楽しげに言う。
「メテオ君ってさ、実はM男でしょう?」
「は?」
部長はそう言いながら、左手首の腕輪から、高いところから落ちたとき用のアンカーワイヤーをキリキリと音を出しながら、取り出していく。
「私、前からね」
貴方を縛って嬲ってみたかったの。
部長が肉食獣のようにな笑みを浮かべた瞬間、俺は心を無にして、転がるように俺を踏みつけてくる部長の足を回避! 俺は即座に立ち上がり、来た道を走る。
「待って! メテオ君!」
背後から襲いかかってくるワイヤーを死ぬ気で回避しながら、俺は叫んだ。
「そういう趣味は一切ございません!」
「嘘つき!」
部長は聞く耳を持ってはくれなかった。
この後、俺は部長に捕まり、開けちゃいけない扉を開ける寸前で、遅れて駆けつけてきた天乃さんに救助された。
「何しているの? 貴方達は」
ゴミを見るような目で、天乃さんに見下ろされて、俺はかなりゾクゾクしたが、天乃さんにそれどころではない。と腹を蹴られて俺は正気に戻った。
どうやら、俺も鱗粉にかなりやられていたようだ。




