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スタティオン  作者: quklop
”fautht” 若かりしあの頃の彼女と冷たい鉄格子
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70 "kuirluea"

「その反応なら、大成功といったところかな?」

「何が?」

「ところでこの男を見てくれ…」

くいっとやって、縛られた男の顔を俺の方に向ける。

「コイツをどう思う?」

「凄く、たくましいです」


知り合いだったか?

いや、こんな濃い顔をしてる奴を忘れるはずがない。

まあ、状況から一体コイツが誰なのか察しはつくんだけど。


「もしかして、あの青タイツか?」

そうとしか思えない。

だが、確信を持てないでいた。

「ビンゴ。

でも、顔見ただけじゃわかんないでしょ」

「青タイツを着ていないからとでも言うのか?」

「その通り。

君にとって彼は青タイツでしかない。

嫌でも目に付くだろう? あの毒々しい青色は。

顔になんて目が行くはずもない。

そしてそれは彼を逮捕した警備隊員達にとっても同じだ。

わけがわからないって顔してるね。

別にわからなくてもいいって顔でもあるけれど。

それじゃあ僕が気分悪いからね」


長々とした解説をまとめると、こうだ。

青タイツは紅玉の会を裏切った。

なぜ裏切ったのかは、まだわかっていない。

青タイツは適当な罪を犯して、わざと警備隊に逮捕された。

どうやらその後の取調べの中で、明日の計画についての情報をリークするつもりだったらしい。


ところが、それは失敗に終わった。

日高達がその逮捕現場を見ていたのだ。

その後はまるでコメディ映画のようなどたばたっぷり。

ドム・キホーテまで清水が青タイツを買いに走り、エイダと千梨が通行人の注意を逸らした隙に、鈴木がたまたま側を通りかかった桂木派の無名議員を謎の空手技で昏倒させ、そして日高が議員に青タイツを着せ、取調べ前の一瞬の隙を突いて議員と犯人を交換した。

ちなみにあの意味不明な供述は、まだ交換が済む前に青タイツが口にした言葉なんだそうだ。


「今頃は、桂木派の○○氏、ストレスによる奇行か? なんて新聞の見出しが作られてるだろうね。

アハハッ!」

日高の言うことだから、一から十まで全てが真実ということはありえないだろう。

だがしかし、兎に角現実では、警備隊に逮捕されたはずの青タイツはこうしてトイレの個室で縛られている。


そういえば、さっきから青タイツは妙に静かだ。

猿轡などはされていないように見えるが、一言も言葉を発していない。

「大体のことは分かった。

聞いてはいないけれど、なんでコイツが今こんな格好をしているのかも大体察しがつく。

けど、そうやって縛り上げる意味がよくわからん」

「え? いやそれは決まっているじゃないか。

縛るといえば尋問で、尋問といえば拷問だよ。

けど…」

日高が青タイツを床に蹴り落とす。


青タイツの体は、通常ではありえない角度にグニャリと曲がった。

「ちょっと加減を間違えたみたいで、殺しちゃった」

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