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寂しかったよ~

 宿舎に帰ると、留守中のバルコニーのプランター菜園の様子を見に、バルコニーに行った一戸を尻目に、三人は競い合うように、服を脱ぎだした。

「おいおい、家の中のことを、少しはさせてくれよ。」

とバルコニーから窓越しに不平を言ったが、3人は有無を言わさず、彼を引きずり込んでしまった。

「だって~、マスター。」

と甘え声でギャクがすり寄ると、オウが無言で腕を掴んだ。

「主様。私、我慢出来ません。」

 ツウが四つん這いになって、尻を向けていた。

「淫乱!」

とギャクは非難したが、オウは、

「主殿、我も。」

 両脚を広げて仰向けになった。それを見てギャクは胸を強く押しつけてきた。溜息をつきながらも、すっかり、彼女達の挑発に乗り気な自分に気がついた。ゆっくり服を脱ぎ始めた。

「元気そうですね。」

「やっぱり貯まっていますね。」

「早く!」

 3人と交互に唇を重ねた。舌をからめながら、唾液を落としながらねっとりと、口づけを続けた。彼女達の舌も、唇も作りものとは思えない、気持ちのいいものだった。それだけではない。彼女達の艶めかしい裸体は、外見だけでなく、触っても、抱きしめても、舌を這わせても、心地よいものだった。しかも、三人三様で、どれも素晴らしいが個性がしっかりある。彼の動きで、艶めかしい反応をし、喘ぎ声をだす。反応も、声もそれぞれが異なる。そして、一体になると、それぞれが色々な体位で、激しく動き、喘ぎ声をだし、激しく果て、また、求めてくる。それに応えてしまうほど、彼女達は魅力的だった。その上、愛の言葉を求め、愛の言葉を喘ぎながら口にした。全てが終わり4人がぐったりして、横になった時、オウが、ポツリと

「我らは、主殿を愛してるんじゃなくて、単に喜ばせるプログラムで動いていたいるだけなんだ、結局は。愛したいのに。」

ギャクが飛び起きて、

「プログラムで、マスターを愛していると言ってるんじゃないの。でもね、そうでないって言えないの。全ては、学習機能で得た知識でやっているのは、事実だから…。」

 一戸が起きあがると同時に、ツウも起きあがって、居ずまいを正して、一戸が話出す前に、

「私達は、愛していると信じているし、自分自身を信じたいのです、3人とも。でも、私達は、学習機能を持った、AIダッチワイフです。単にそう言って、奉仕していることを否定出来ない、それが怖いんです。」

「ここ、日本には九十九神という言葉があるのを知っているだろう?」

 一戸も正座した。オウも起きあがった。3人は彼の言葉を待った。

「日本人だけは、長く、よく、大切に使われた道具は、人間に、こき使われたからと最後の審判の際に人間に復讐するのではなく、生を得て、九十九神という神に近い、いや、半神に近い存在となると考えた。」

「私達も?そうなれと主様は信じているのですか?」

 ツウは彼の真意を確かめるように、真っ直ぐに見つめた。オウとギャクの視線も感じた、彼はいったん目を閉じた。目を開けて、

「信じているし、信じていないし、分からない。お前達と別れたくないし、しかし、永久にと約束する自信もない。今だけは、お前達を愛しているというのは真実だが、明日変わるかもしれない。」

 何故かツウはホッとしたような表情になった。

「主様らしい回答ですね。困った方ですから、私達がご奉仕させていただけないとダメですね。」

 冗談のようた言い方だった。

「マスターは、僕達無しだとダメだからね。」

「あの女、主殿は、女から相手にされないような最低男だから、性転換した方がいい、性転換する人達に偏見があるだろうから、説得したら、とまで言っておったな、執拗に。」

「それは、性転換する人達にかえって差別する発言じゃないか?お前達は、私が性転換した方がいいと思っているのか?」

「絶対反対!」

 3人は声を揃えて言った。その後、4人で大笑いしてから、また1戦に及ぶことになった、何故か。 

「こいつらが、九十九神になると信じているふりをして現実から逃げているのかもしれないな。本当に九十九神に、こいつらがなったら、俺はどうするつもりなのだろうか?」

 最初、3人を連れて行った時には、真っ赤になったり、真っ青になった母親が、最近は諦めきった、落ち着いた表情で自分を見、可愛い人形を愛でるように3人を見て、世話を焼き、手助けされているのを思い出した。

「3人と言うのは、私だけか?」

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