第4話
会社の内定式が近づいたある日、彼は内定を受けた会社に内定辞退の連絡をした。
そして新学期が始まったが、週に一度ゼミのある月曜日には大学へ通った。ゼミが終わると四国の実家に戻った。それは直子が大学に行くように勧めたからであった。卒論を書かなければ卒業できないことを直子は心配していたからだ。
彼は直子を安心させるために週一大学に通ったのであった。
月曜日以外は直子に会っていた。病室にて卒論を書いたりした。幸せな時間が過ぎて行く。しかし、直子の病状は悪化して行った。
11月初旬、直子は退院して自宅療養となった。彼は自由に直子に会えるようになったのは嬉しかった。
それからしばらくしてある日、彼は勇気を出して直子に恋人になろうと告白した。直子はうんとは言わなかったが、嬉しそうであった。
ある秋の昼下がり、直子は言った。
「私もうすぐ死ぬんだ」
彼はそれを聞かないふりをして道化を演じて涙をぐっとこらえた。
そしてクリスマスが近づく頃、彼は卒論を学務に提出した。急いで直子に会いに四国に帰ったが、直子は病院に運ばれた後であった。
そして直子は危篤状態であった。
彼は直子に話しかけるも応答は無く、我を忘れて直子と何度も叫んだ。
その時、時間が止まり、神様が現れた。
「青年よ、永遠の愛は見つかったか?」
彼は小さく頷いた。
「それでは青年よ、寿命を延ばそう」
神様がそう言った時、彼はすぐさま申し入れをした。
「代わりに直子の寿命を延ばして下さい」
それを聞いて神様はそれはできないと時間を置いて応えた。
彼は何度も何度も神様に泣きながら頼み込んだ。
すると神様は言った。
「青年ならそうすると思ってたよ。直子さんの寿命を延ばそう。しかし君は……」
彼は神様に感謝の言葉をかけ、迫りくる時間の中最期の瞬間まで直子の顔をじっと見つめて彼女の手を握っていた。
そして時間が動き出すと、彼は直子の側で倒れ込んだ。彼の顔は幸せそうに微笑んでいた。
また、目が覚めた直子は窓の外を静かに見ている。外は雪が降り始めていた。
終わり




