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ゾンビだらけの終末世界でおれたちわりと無双界隈  作者: 卯月


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第44話 絶望の底にのこされていたモノ

『『偽聖剣』のジークと戦闘したことによりプレイヤー・カズヤの《免疫レベル》が4にアップしました』

『『偽聖剣』のジークと戦闘したことによりプレイヤー・カズヤの《免疫レベル》が5にアップしました』

『『偽聖剣』のジークと戦闘したことによりプレイヤー・カズヤの《免疫レベル》が6にアップしました』


 ハア……ハア……ハア……。


 おれは脳内にひびく『ノヴァ』の報告を聞き流しながら、ベッドの上で苦しんでいた。

 おかしい。どうなってんだ。

 おれにはゾンビのウイルスは効かないんじゃなかったのか?


『『偽聖剣』のジークと戦闘したことによりプレイヤー・カズヤの《免疫レベル》が7にアップしました』


 頭痛がひどい。もする。眩暈めまいもだ。

 もうかれこれ数時間。まったく体調が良くならない。

 まるでひどいインフルエンザにかかった時のような、最悪の気分……。


『『偽聖剣』のジークと戦闘したことによりプレイヤー・カズヤの《免疫レベル》が8にアップしました』

「の、ノヴァ……報告はもういい。おれの身体、どうなってんだ……」


 おれの苦しみなんてちっとも理解できていない様子で、脳内に住む『超小型スーパーコンピューター様』は淡々(たんたん)と告げる。


『超上級天使『偽聖剣』のジークと名乗る強敵の手によってプレイヤー・カズヤは深いダメージを追ってしまいました。ダメージを負ったさいにあなたはこれまでとは異質いしつの、より強力なウイルスに感染してしまったのです』


 より強力なZ-ウィルスだと……!


『『偽聖剣』のジークと戦闘したことによりプレイヤー・カズヤの《免疫レベル》が9にアップしました』


 おれの身体はそのやべえウイルスに負けまいと必死に戦っているってことか。

 だけどキツイ。キツすぎるぜ。

 ただでさえ『偽聖剣』のやつにぶった切られて出血多量の大ケガだってのに……。


「ノヴァ、勝さんを呼んでくれ……このままじゃおれ……」


 数秒後。

 ノヴァは冷たい返事をよこした。


『残念ですが従来じゅうらいの通信機能は使用不可能になりました。『偽聖剣』のジークによって南鞠勝みなみまりまさるの脳内コンピューター『ベル』が摘出てきしゅつされてしまったからです』


 あっ……。

 そうだった……。

 おれは昼間の光景を思い出して絶望的な気分になる。

 勝さんはもう脳内AIを持っていないんだ。もう遠距離通信は使えないんだ。


「じゃ、じゃあ紫織しおちゃんを呼んで。インカムマイクつけてるかどうか分かんないけど、もしかしたら……」

『了解いたしました』


 数秒後。

 おれの脳内になぜか紫織の悲鳴が飛び込んできた。


『キャアアア!』


 高音の叫び声が頭の中で反響はんきょうして激痛を生む。

 ちょっと、今はそういうの勘弁かんべんして。頭が痛いんだからさ……!


『カズヤさん助けて下さい!』

「ど、どうしたの」

『『偽聖剣』にやられた人たちがゾンビになって! 大変なんです!』


 そうか、傷ついた他のみんなもか……!

 おれと違って耐性のない人たちはひとたまりもない。

 もうすでにゾンビになってしまったのだ。

 ゾンビは人間をおそい新たなゾンビを生み出す。

 かつての仲間を倒さないといけない最悪の展開になっているのだろう。


「ごめん……いまはおれもちょっと無理……」

『あっ、そ、そうですよね。助けに行きますから、もうちょっとガマンしてて下さいね!?』


 バン! バン!


 銃声が鳴る。他の人たちの悲鳴も聞こえた。

 今まさに紫織は戦闘中なのだ。


『それじゃまたあとで!』


 通信は終わった。

 くそ、情けねえ。

 彼女の兄貴、鉄男さんに守るって約束したのに。こんな所で寝ているだけなんて。

 おれの身体よ、はやく治ってくれ。

 ウイルス感染すればするほど耐性が上がるんだろ。

 はやく、はやく……!


 しかし、おれの予想をひっくり返す、非情な現実がのしかかってきた。


『『偽聖剣』のジークと戦闘したことによりプレイヤー・カズヤの《免疫レベル》がMAXに達しました。おめでとうございます』


 えっいやちょっと、おめでとうって言われても。

 おれの身体まだ全然よくなって無いんだけど。

 これが限界? 治せないってこと?


「の、ノヴァ、ノヴァ……」

『はい。何かお役に立てることがありましたらどうぞご相談ください』


 そんな定型文をいってる場合じゃなくて。

 なんとかしてくれ、助けてくれ。

 だんだん意識がうすれていく。

 もう動けない。考えることもできない。

 おれが沈黙ちんもくしたせいか、ノヴァは報告を再開する。


『《免疫レベル》がMAXに達したことで、プレイヤー・カズヤは新たなスキルに覚醒しました。おめでとうございます。あなたは新たな能力によってさらなる活躍が見込めることでしょう。人々はあなたをヒーローとたたえ、もしかしたら救世主とよばれる日が来るかもしれません。あなたが覚醒した奇跡の力とは――――――』


 ……おれは長ったらしいセリフを最後まで聞き終わることなく、意識をうしなった。


   ―――――――――――――――――――――――――


 プレイヤーゼロワン(登録名 カズヤ)

 保有特殊スキル《免疫》LV10(MAX!)

        《エリクサー》LV1 ←New!!

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