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予定よりだいぶ遅れたが再び訪れたシルイット。

3人娘に東條の事は知らせてない―――もとい東條の方に知られたくない(ハーレムはロマンだとか言って騒がしくなるのは目に見えている)ので、二階の窓から東條にあらかじめ持ってきてもらった非常階段(なぜそんなものを持っているのかは知らないが)で下りてもらい少し離れた場所で合流する。


東條を待つ間、事務所の方から商業ギルドの簡易版当座預金用に三文判にボールペンと大福帳を2セット、銀行から発券された本物の小切手帳を―――――持ってくるわけにはいかないので、代わりに真幸商会(うち)で使っている4枚綴り(つづり)の伝票を10枚ばかしと伝票用のファイルを2冊持ってきた。


「すみません、遅くなりました」


「ほほぅ、これは中々に趣のある建物ではないか。マーッベラスッッ!」


賑やかな町並みをさっさと通り抜けて商業ギルドへ。

天災(バカ)は建物を珍しげに見て回っている。カシャーッ、カシャーッっとフラッシュの光にシャッター音が聞こえてくるがもう諦めた。

奴が興味を失って何処か目の届かないところに消えないうちにガルフコーストさんと話を済ませておく。


受付の女の子―――名前、何だったっけ―――に伝えると直ぐに奥の間へ通してくれた。


煩わしい挨拶やらなんやらはさっさと省略して本題を話す。


「先程のギルド預金と小切手についてなんですがこれらを使おうと思います」


用意していた物一式を手提げから取り出す。


「この紙4枚綴りで1つになるのですが、―――たとえばこうやって一番上に\弐万壱千五百円と書くと下3枚にも青色で一番上に書いたものと同じ文字が移ります。で、最後の文字の後に書き足されないようにこの判を円の後ろに―――とんとんとんっと。

後、この紙。ここのミシン目という線でこうやって切り取れるので、私がこの①と書かれた紙を先に切り取ってこのファイルに()じて管理します。商業ギルドの方には3枚綴られた状態で円の後ろに全部この印が押されたものだけ換金してください。こちらのファイルに綴じてもらえれば、万が一の時には私の管理している伝票(かみ)とギルドで管理している伝票(かみ)と照らし合わせる事が出来ます。この右上の番号は4枚1セットで他の伝票(かみ)に同じものは2つとしてありませんので、もし過去と同じ番号のものを持ってきた場合は完全に偽物になります。

ボールペンと大福帳を差し上げますので、残高はこちらに記帳してください。いえいえ、遠慮しなくても大丈夫ですよ。こちらにも同じ物がもう1セットあるのでこちらでも残高は記録できます。はい、大丈夫です」


ギルドには300万預け、預かり手数料として2%の6万を差し引いてもらい現金66万ジルを(お釣りで大量の旧金貨が必要となるので新金貨で取引できないところも多いらしい為)旧金貨で受け取る。


ジャラジャラと100枚を超える金貨、かなり重い。

含有されている単純な純金料としてもかなりの金額にはなるだろう。


余談になるが、ギルドの貯金概念は冒険者ギルドにしかないらしい。


冒険者ギルドだと組合員かつ月に2回、3ヶ月合計で8回以上の中堅ランク以上の討伐依頼達成を条件に、無料で財産の預かりをしているのだとか。

因みに、貯金をしている冒険者が死亡した時、貯金の半分はギルドに残り半分は万が一の際の受け取り主に返金される。


この条件、実は満たすのはほんの一握りの冒険者だけらしく、貯金システムを扱える冒険者が死亡した時に受取人に渡される金額は、少ない場合でも地方なら家10軒位買える額が支払われるのだとか。


よくできている仕組みだとは思う。

まぁ、腕っ節に自信は無いので手数料払って手間をかけてでも商業ギルドの方に預けるけど。


「恐らくですけど外の知り合いが買い付けをするらしいので、早速今日からこの紙をギルドに持ってくる方がいるかと思われます」


「わかりました。受付担当の方には説明しておきます。今日はその試運転ということで私もついておきましょう」


「えぇ、そうしてもらえると安心です。っと、済みませんが今日事前に用意していた額を聞いてもよろしいですか?」


「えぇ、そうですね。多めに考えて200万程用意してありましたが………いささか足りなかったみたいで申し訳ない」


仕返しの分を考えなかったら足りていたわけだ。


「分かりました、では仕入れ額もその範囲内で賄うよう伝えておきます」


「お心遣い、痛み入ります」


まぁ、こっちが悪いからね。


「さて、連れや護衛の方々も待たせているのでこのあたりで……」


「そうですな。では、お見送りだけでも―――」


「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」


部屋の外から悲鳴が聞こえる。その後、ドタンバタンと慌ただしい音。


「何事ですか!?」


慌てて飛び出るガルフコーストさん。

あっけにとられていたが、話に夢中で忘れていた爆弾をふと思い出して慌てて部屋を出る。


現場につくと予想通りの人物は取り押さえられており


「――――――同士か。済まないがこいつらを説得してくれないか。急に取り押さえられて身動きが取れなくなってしまったのだ」


部屋の視線が一斉にこっちに集まる。

こいつ、今度は何をしでかした?





******************************



――――――――――状況確認中――――――――――


はい、予想したとおりです。

原因はやっぱり東條の方でした。

依頼達成の報告をしに来た獣人の男女5人の冒険者グループ(商業ギルドでも採取の依頼等結構出すらしい)。

報告しようとしたらこの馬鹿が近づいてきていきなり耳を触ってきたそうです。


しかもその触られた獣人はパーティーでアイドル的存在の女の子(雌の方がいいのか?)だったので余計にたちが悪く、うらやまけしからん事をした報復かその子にいいところを見せようとしたのか全力で応戦した結果が目の前の光景と。


いきさつを聞いて一言


「――首刎ねていいんじゃね?」


「「「いやいやいやいや」」」


「ちょっと待ってくれ。同士、それは少しばかり短絡的じゃあないか?」


「だってこいつ、自重って言葉を知らないから次会ったら同じことを繰り返すぞ?」


「「「よし、刎ねよう!」」」


「待ってくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」


さらりと掌を返した獣人(雄)達、目の前に鈍く光る刃物を突き付けられて東條の悲鳴が辺りに響き渡るのであった。


馬鹿は死ぬまで治らない―――南無。


まぁ、死んでは無いんだけどね。




東條は罰として日が沈むまで獣人グループの雑用担当となりました。

リーダーのオットーさんは


「はっはっは、この馬鹿が二度と不埒な事をしない様へとへとになるまでこき使ってくるよ。みんなー、今日はロハで使える荷物持ちがいるから熊系(グリズリー)巨大猪(ビッグボア)辺りを狙うぞー」


「「「「オーーー」」」」


ドナドナと東條に別れを告げて(大八車(クルマ)を引くのは本人だったが)


「さて………どうしようか」


「ん?これからあたし等が護衛になっていろんな店を回るんじゃなかったのかい?」


「そうなんだけど、………購入するかどうか決めるのはあの馬鹿の予定だったからなぁ」


「おいおい、それじゃどうするんだい?報酬はもう貰ってるけどまさか返せとは言わないよなぁ?」


「それは困りますー」


「うんうん、どっかの誰かが前回やらかして装備壊しちゃったからねぇ」


「あんなに重いものをもったのは初めてですぅ。これでお代を頂けないとかなると神は我を見捨てられたのでしょうか」


カイナ(リーダー)の言葉にメンバーの3人もそれぞれに同意する。


返金が効かないなら見て回らないと損だよな。

質が良いものだったら多分何とかしてくれるんじゃないかな、出発目前でやらかした東條(あいつ)の自業自得だし。


「――うん。君たちの中で家具や日用品、布地に服に装飾品なんでもいいけど善し悪しが分かる人っていないかな?作りがきれいとか丈夫とかでいいんだけど」


「あっ、それなら私が質の良さなら分かると思います」


「ファルシアは教会の司祭様だからなぁ。工房で貴族様の販売品なんかも作るから安心していいと思うぜ?」


「丈夫な日用品ならカイネが分かるー!うちのパーティーの買い物してるから粗悪品は掴まされないよー」


「私は服飾なら人並には―――。あまりお力になれないかもしれません」


「私は武器と防具の善し悪しなら分かるぞ!」


「武具は―――いらないかなぁ」


というか、防具はまだしも銃刀法違反で捕まるわ。

あからさまに落ち込むカイナとアイリーには悪いがカイネとファルシア頼みで適当に見て回る事に決めた。




今日は街の市(違法物以外なら何でも販売できる市)が開催されている。

ここで売上て青空市(主に食料品の売買)で休み明けまでの食料を買いだめする人も多く、この日の市は特に賑わうのだとか。


「かーーっ、いいねいいねぇ。にぎやかだねぇ」


楽しそうにリーダーのカイナが辺りを見渡す。

商業ギルドに出店料と売り上げから税金を払えばだれでも店を開けるこの市は先日の青空市よりも多くの人でごった返していた。


一度観光に行ったアメ横――とまでは行かないがそれに近しい人混みだ。


家の不要物や手作りの品々を並べる横で、腕に自信のある者は即席の屋台で料理をふるまう。

ちょっとした音楽や大道芸を魅せる人。

装飾品を販売する傍らその場で腕前を披露する人など様々なモノを販売する人買い求める人であふれている。


うん、正直舐めてた。

一品一品見て回ろうにも残りほんの1~2刻(2~4時間)じゃ全部を確認することは不可能だ。


「リーダー、買い食いは無理ですよぉー。防具の修理費差し引いたら暫くぶんの宿代でなくなっちゃいますって」


「最近質素だったからなぁ。こんな強烈な匂いさせてたら腹が減って腹が減って」


まぁ、確かに。

東條の一件で昼飯の時間もなくなったからなぁ。


っと、カイナとアイリー(役に立たない二人)の漫談は置いといてだ。


「あー………。カイネ、ファルシア。ちょっといいか?」


「んー、なになに?」


「如何されましたか?」


「正直に言うと、市がこんなお祭り騒ぎだとは思わなかった。スマン。しかもこっちの責任者は捕まってしまうしどうしたらいいのか分からない。そこで、だ。二人で装飾品・家具類・日用品で全体的に質が良いものをそろえている人をピックアップしてくれないか布地や服は(善し悪し関係無しに買い込むから)いらない」


「わかったー」


「えぇ、大丈夫ですわ」


「俺は付いていくから二人が納得できるものが多い売主を見つけたら教えてくれ」


良い返事をもらえたので後は二人についていくだけだ。


「それと。カイナ、アイリー」


未だに後ろで漫談を続ける二人を呼ぶ。


「なんだ?」


「はいはい、どうされましたか?」


「適当な屋台から昼飯を5人分頼む」


先程受け取った革袋から金貨を1枚渡す。

これまでの発言から念のためにアイリーへ。


「サンキュー、やったぜー。直ぐ買ってくるからなー」


「ありがとうございます。少々お待ち下さい」


走っていくカイナとアイリー。

人ごみに紛れる背中に


「きちんと釣りは返せよ!」


と投げかけると


「じゃ、なるだけ高いもの買ってこようぜ」


「分かりましたー。責任持ってお返しします―――リーダー待って待ってー」


改めてアイリーの方に金貨を預けて良かったと思う。


「流石ですね。もうリーダーの性格を見抜かれるなんて」


「お姉ちゃん、金遣いの荒さ(これ)さえなければ完璧なリーダーなんだけどねぇー」


と、残る二人からもカイナに対して辛辣な評価がされていた。


軽く軽食を挟んで市場散策を再開する。


因みに二人が持って帰ってきたものは、四足の魔物肉を秘伝のタレに付けた肉の串焼き。

血の味が強いが濃いめのタレと合って中々に美味しかった。

値段を聞くとなかなかにレアな肉らしく市ではかなり高額の10本で銀貨7枚(これでも3枚分値引きしてもらったらしい)。


じとーっとカイナを見てみると白々しく目をそらされた。




「だめだめ、そんな紙きれじゃあこいつらは売れねぇなぁ」


「あー、為替(これ)も駄目なのかぁ」


ファルシアが見つけ、カイネもこれなら丈夫と太鼓判を押された手作りの木製品を販売している人と話してみて一人ごちる。

並べられた商品で小さめのもの――小物入れらしい木製の箱――を手に取ってみる。

見た感じ他の人の作りと違いがよくわからないがファルシアが言うには見た目の細部の作りが丁寧でなかなかのものなのだとか。


休憩所の件もそうだが今回の為替作戦も失敗だった。

特に今回はしっかり準備していただけにかなりへこむ。


今回の敗因は信用の低さだ。


これが日本なら為替は銀行や国が保証するし個人間の契約書でも法律や裁判所が保証する。

それに対してこの世界ではそういった保証が弱く、基本的には本人が己自身の利益を守らなければならない。


ガルフコーストさんが賛成したのは恐らく商業ギルドと言う大きなバックに、胴元の様な立場からの視点だったからだろう。

彼の立場からだとほとんどないリスクに大きなリターンが見えていたはずだ。


今まで見てきた市や価格の自由競争から異世界は近代の経済レベルだと見積もっていたが、その実中身は室町時代~戦国時代の富を持っている物が単純に勝つ経済レベルかもしれない。


まぁいい。

それならそれでやりようはある。


「おっちゃん。じゃあさ、ここに並べてる売り(うりもん)全部合わせたらいくら」


「は?……えっと、1000…300…2,500………っと、28,300ジルだな。」


カイネとファルシアに妥当な金額か目配せして確認する。

問題ない様だ。


「そっか。じゃあこれ、15,000にしてくれたらこの場で全部買い取るよ」


と、金貨3枚をちらつかせる。


「「「ぶっ」」」


周囲にいた人何人かが噴き出す。


「ハヤトさん、いくらなんで、も吹っ掛けすぎですよ!!」


ファルシアに注意されカイネもうんうんと頷く。

カイネだけじゃなくてカイナを除く周りの店主や客まで頷いてるんだが、そんなにおかしい事か?


「あ………あぁ。兄ちゃん(あんちゃん)交渉下手なのは分かったけどよ、その金額じゃ流石に材料費でほとんど消えちまうからよ。そうだな、………全部まとめて22,000でどうだ?」


シャット・ザ・ドア・イン・ザ・フェイス、無茶な注文から予定の範囲に落とし所をつける地球じゃ普通にある手法も駄目。

というか、前職じゃ契約も相当数取って期待の星扱いだったんだけどなぁ。


気を取り直しておっちゃんに向き直る。

これまでの流れを統合すると、想像だがこの世界の住人達は交渉事をするのも自らを『商人』と呼ぶ一部の人たちなんじゃないだろうか。


ギルドマスターのシルバー一家、ナストゥール商会、ポニー商会に対して露店で消費者(買い手)のファルシアにカイネに周囲の反応。

そして自作のモノを売るこのおっちゃんやデキシーさんに良い様にやられていた土地仲介のおっちゃん。

………デキシーさんは別枠かな、大阪のおばちゃんみたいな感じで。


「じゃあさ、その額で買い取る代わりにお願いが二つ」


「おいおい、二つもかよ。……まぁ、あんまり無茶なことは無理だが出来る範囲でならな」


「ひとつ目は、これらを作りだすのにかかった材料費を教えてもらえませんか?」


「あぁ、それくらいなら。まぁいいか。大体金貨2枚位……かなぁ。まぁ、道具のメンテナンスでもう少しかかったかもしれんが」


成る程、木工細工は原価5割くらいあればやっていけるのか。

一部ギルドに徴収されるから利益はもう少し少ないのかな。

まぁいい。


「もう一つはこの通り自分の他は目利きしてくれる方と………食事担当?しか―――」


「せめて護衛担当にしてくれや」


「コホン。――護衛担当しかいないので荷運びが出来ないんですよねー。この住所までこの商品達を運んでほしいんですけどお願いできませんかね?」


デキシーさんに書いてもらった住所(コピー)を渡す。


「なんだ、その程度なら問題ねぇぞ。なんせ商品全部捌けちまったからなぁ。はっはっは」


簡単にオッケーをもらう。

それなら


「えぇ、私は構いませんが」


「ハヤトさん………無茶苦茶だねぇ。結婚したら玉の輿なんだろうけど……この行き当たりばったりに付き合わされるのは……ねぇ。あぁ、仕事は全然オッケーだよー」


二人に確認をとっておっちゃんに向き直る。


「後、これとおんなじくらいの品質の物が出来たら毎月20日に同じ場所に納品って出来ないかな。今回の値段とおんなじ位なら全部買い取るけど………」


その一言でこの日この市場は大混乱となった。





「ど……同士よ。何とか……生きて帰ったぞ」


「………こっちもね」


太陽が半分ほど沈み始めた頃、かなりきれいになったなと庭の花壇を眺めているとようやく東條が帰ってきた。

偉丈夫なように見せかけて全身泥だらけで足がプルプル震えている。

相当にこき使われたように見える。


「お疲れの状態で悪いんだが……ここからが地獄なんだよなぁ」


「何がだ?」


「こいつらの運搬だ」


ドアを開け東條を中に入れる。

等間隔に並べられていたイスとテーブルは端に重ねられ、空いたスペースには市場から山と持ち込まれた品物の数々。


小物からテーブルまで御手製の木工製品、手織りの布に古着類、小物からナイフまで種々様々な金属加工品これらが山と積み重ねられていた。

既に受け取った金貨に加えギルドに走り100万ジル程現金を上積みして展示物を丸ごと買い漁った結果だ。


もちろんファルシアとカイネに鑑定してもらっている。


「これ………全部か?」


「あぁ」


「軽く、死ねるよなぁ……」


「うん、………ごめん」



木材加工のおっちゃんに代金を渡した後の話だが、うちの商品を買い取ってくれないかと売り手が一斉に集まってくる異常事態となった。


おっちゃんとのやり取りは市場を相当な速さで伝言ゲームされたようで、その混雑は市の管理人が何人もやってきて事態の収拾に努めた程だ。

売主が商品ほったらかしに店を放置してしまいどさくさにまぎれての盗難事件も複数発生しさらに混乱を助長する羽目になった。


手当たり次第に買う予定だった古着や布の類は状態の良いものなら定価の2割で全部買い取ることと食料品・武具の類は一切購入しない事を管理人に通達してもらうことで押し寄せる売主を減らした。


その後、時間の許す限りファルシアとカイネに品定めしてもらった結果がこの大きな一軒家ぎゅうぎゅうに詰まったモノの山だ。


こいつらを明日一日で倉庫まで持って行き夕方にやってくる運送業者で東京のオーダーショップまで運んでもらわなければならないのだ。


その後の事はあまり語りたくない。

結果として、手製手織物を集めた東京のオーダーショップは一躍有名となり、その代償としてほぼ徹夜で体を酷使した俺と東條の二人は翌日以降最悪のコンディションの中通常業務を行うことになったのだ。





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