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いっこの差  作者: 夢呂
【第四章】
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早苗と居酒屋

「澤野さんが…メイの…幼馴染み…?」

私は…こくん、と頷く。


早苗と久しぶりに二人で呑みに居酒屋にいた。


「しかも、元彼で…今婚約者…?」

「うん…」


ちょっと待って…ついていけない…、と早苗が呟く。


「ごめんね、黙ってて」

私が謝る。


「婚約したのは、最近なんでしょ?」

私の手元を見ながら、早苗が言う。

「うん…」

会社に指輪は、してきてないけど…。

私は何もつけていない左手の薬指に触れる。


「元彼が数年ぶりに目の前に…ねぇ?」

「うん…驚いた…」


「―――澤野さん、本当にメイのこと好きなのね」

頬杖をつきながら、早苗が私を見つめて言う。


「え…」

「わざわざ、メイのいる会社(ところ)に転職してきたんでしょ?」


「ううん、偶々…」

「偶然を装って、でしょ。」

早苗が言い切る。


「それに、あの経営企画部長の左遷…あれも澤野さんの口添えでしょ?」

「え…」


「メイ、こないだ田中部長に呼び出されてたんでしょ?私…まだメイと気まずくて話せなかった時…」

「あ…」

――――あの時…?


「澤野さん、気にしてたもん。私に聞いてきたし…、あの…過去のセクハラ事件のこととか…。」


――――ハルくんは、全部話してくれない。

私が、弱いから。

私を…想うあまり。


「これは、噂だけど…社長と通じてるらしいからね…、彼。」


「それ…私も営業事務の女の人達が話してるの今日聞いた…」



「幹部候補って噂も聞いた?」

「うん…」

「とんでもないエリートが、入ってきたわね…」

早苗が呟く。

「メイは、やっぱりすごいわー」


「え、私…?」

―――すごいのは、ハルくんだけど…?


「澤野さんみたいな人を、ゲットするなんて…」

早苗がうっとりと呟く。


――――でも…凄ければすごいほど…ハルくんの側にいるのが、私で良いのか…不安になる。



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