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いっこの差  作者: 夢呂
【第四章】
268/283

社内での事情

「顔色…悪くないですか?」

受話器を置くと、隣の澤野さんが言う。


「―――ちょっと席外します」

私が席を立つと、足元がふらつく。


「本当、大丈夫?」

ハルくんが心配そうに私を見て言う。



――――大丈夫じゃないけど…、ハルくんは巻き込みたくない。





呼び出された小会議室Aに着くと、すでに田中部長は待っていた。


「久しぶりだね、相田さん。―――総務部はどう?慣れたかな?」


――――笑顔で馴れ馴れしく話し掛けてくる。


「……お陰さまで」

私はうつ向いて答える。




――――思い出したくない…入社してすぐの出来事…。



大学で経済学部を卒業後、

この会社に入社して、配属された最初の部署(いばしょ)


それが…経営企画部だった。



田中部長の下で、仕事を教わった。

でも…この人は………。



「相田さんが居なくなってから、うちの部署はまた華が無くなったよー」

近付きながら私にニヤニヤと笑いかける。


「どうしてとばされちゃったのかなぁ、相田さん?」



――――私が…悪いの?


その時会議室の電話が鳴る。


「はい? ――――分かりました…」

すぐ近くにいた田中部長が受話器をとり、深刻そうに話す。


「相田さん、また連絡する」

それだけ言うと、小会議室からそそくさと出ていった…。



―――――助かった…。

私はホッとして、その場に座り込んでしまう。



ガチャとドアが開き、ビクッとする。

怖くて振り返ることが出来ない…。


―――まさか…戻ってきた?


「――――大丈夫?」

聞き慣れた声が聞こえて…、振り返る。


「どうしてここに…」




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