表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いっこの差  作者: 夢呂
【第四章】
267/283

気持ちを整理する

午後の仕事中に、パソコンの手を止めて考えていた。



―――ハルくん、…私の初恋の人。

幼馴染みで、ずっと好きで…。

好きだったのに、上手くいかなくて…。



――――忘れたくて…忘れられなくて…。


―――でも、ハルくんが居なくなっても、

航が居てくれたから、寂しくなかった。


ハルくんが居なくても、幸せだった。


でも、

航とお互いすれ違いで、上手くいかなくなって別れて…。


ついこの間、再会して…プロポーズされて…。



――――航が好きだった。本気で好きだったのに…。


プロポーズに、「イエス」と言えなかった。

嬉しいはずなのに、したいと思えなかった。



――――仕事を辞めなきゃいけないから?

――――地元(いなか)が物足りなくなったから?


――――航への気持ちが、ただの“情”になってたから?


『茗子、可愛いな』

ハルくんの言葉が不意に思い出される。


ドキドキと鼓動が音をたてる。


――――ハルくんが、戻ってきた、から?





「相田さん、三番に経営企画部の田中部長から電話です」

美樹の声で我に返る…。


――――田中部長から・・・?出たくない…。



「―――相田です…」

震える声で私は受話器に話し掛ける。


『あぁ、相田さん?ちょっと今時間あるかな?』



―――どうして平然と電話なんてして来れるの?


「――――どういったご用件でしょうか?」

私があくまで仕事上のトーンで話す。


『うん、直接話したいから、小会議室Aに来てくれる?』



――――嫌だ…怖い…行きたくない…。


思い出したくない…。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ