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いっこの差  作者: 夢呂
【第四章】
262/283

帰る

冬吾とは別れた。

航の甘い誘惑にも、断るつもりでいた。


―――でも、どうしてこんなに罪悪感と、疎外感を感じているんだろう…。




「茗子の会社のひと?」

航が三人を見ながら軽く会釈する。


「うん…同期」

私が気まずい気持ちのまま答える。



「お会計、お願いします」

「え、ちょっと待てよ…」

店員をつかまえて、私が言うと、航が慌てたように言う。


「私は帰るから」


お会計を済ませて、店を出る。




「茗子、待ってって…」

航の声が後ろから追いかけてくる。



私は…振り向かずに立ち止まる。


「もしかして…さっきのが茗子の彼氏…?最低じゃねぇか、女二人で居酒屋に来るなんて…」

航が苛つきながら言う。


「最低なのは…私だから」

「え?」

私の声が届かなかったのか、航が隣まで歩み寄る。


「―――私たち、別れたから…」

「えっ…別れた?……なんで?」


航が驚いたように私の顔を見つめる。

「―――…。」


「言いたくない…って顔だな…」


「同じだよ…」

私は、重い口を広く。

「サクちゃんの時と同じ…」



―――――好きな人と別れて…寂しかった心を埋めようとして…利用した。


――――相手の優しさにつけ込んで…。


結果、中途半端な気持ちで、相手を傷付けた。

相手(かれ)のことを想う人も、傷付けてた…。








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