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いっこの差  作者: 夢呂
【第四章】
261/283

居酒屋

「―――…っ」


待ち合わせに指定された駅前に、私が走って向かうと、

約束の時間から二時間も経つのに、そこには航がいた。


「―――行かないって…言ったのに…」

私の小さな声が聞こえたのか、航が顔をあげる。


――――何で待ってるの?

「来てくれると思ってた…」

航が私の顔を見て、ホッとしたように微笑んで言う。



私たちは、近くの居酒屋にフラりと入る。

カウンターに通されて、二人並んで座る。


「茗子、なに飲む?」

「私は、お茶で。」

「呑もうよ、せっかくだし」

航がアルコールメニューを私に差し出す。


「明日も仕事だし。航だって寝坊したら困るでしょ?」

私がアルコールメニューを戻すと、

「起こして?」

航が甘えた声で言う。



「な、何言ってるのよ…」

「ビジネスホテルここからすぐだから、今日は一緒に泊まろ?」


―――やばい…甘い誘惑に心がぐらつく。


今日は色々あって、航と一緒に泊まりたいかも……。


――――いや、でもダメだ、こんな別れてからもズルズルと…。


――――それに…。


「茗子?」

航が答えを迫る。


「私……」

私が答えようとしたとき、


ガラッと店の扉が開き、

「いらっしゃい!何名様です?」

居酒屋の店員が、元気良く新規のお客に声をかけた。


「三人なんですけど…」

聞き覚えのある女性(ひと)の声に、私は振り返る。



やっぱり早苗…と、


「え、メイ……」

隣に居たのは果歩、そして―――――冬吾だった。





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