土曜は休みたい…
朝、目覚ましかと思って目を覚ます。
でも、それは携帯電話の着信音だった。
「――――はい?」
昨日の二日酔いが響いて、ベッドから、誰からなのかも確認せずに出てしまった。
『もしもし?俺!』
携帯電話の画面を見てみると、全く知らない番号からだった。
――――もしかして、これがあの、“オレオレ詐欺”?
私が青くなったとき、受話器の向こうから話し掛けられる。
『もしもし?茗子?―――俺…分からない?』
冷静になって耳を澄ませば、それがハルくんからだとすぐ気付いたのに…。
「って、なんでハルくんが私の番号知ってるの?」
『え、それは茗子の番号変わってなかったから。』
――――あ、そうか…元々は知ってたんだった。
アホみたいな発言をして、…穴があったら入りたい。
『それより、今日予定ある?無かったらちょっと話さない?』
「何を今更話せばいいの?」
ハルくんの誘いを、素っ気なく受け答える。
『茗子は知りたくないの?―――高校卒業してからの俺のこと…』
「それこそ、今更でしょ…」
『俺は知りたいよ?茗子は、俺が卒業したあと、どんな生活してたか…』
「なんで?そんなこと知ってどうするの?」
――――私のこと置いて、アメリカに行ったくせに。
『どうしてだと思う?』
「知らないよっ」
――――聞いてるのは、私なのに…。
私が苛立って言い返すと、
電話越しからクスッと笑った気配がした。
『茗子が好きだからに決まってるだろ?』