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いっこの差  作者: 夢呂
【第四章】
254/283

歓迎会

「それでは、入社した澤野さんを歓迎して、かんぱーい!!」

幹事の美樹の音頭で、歓迎会が始まった。


ハルくんが入社した週末の、金曜日の夜、

居酒屋の一室を貸し切って、ハルくんの歓迎会をしていた。



「澤野さんって、いつからアメリカに?」

美樹がさりげなくハルくんの隣に座る。


私は、一番遠い端っこに座っていた。


「あぁ、大学から向こうに…」

「じゃあ英語ペラペラなんですねぇ…ステキ!」


――――ハルくんと美樹が楽しそうに話している。


ここからじゃ、何を話しているのか聞こえない。


「―――気になるなら、あっちの席に行ってきたら?」

私の隣で、早苗が日本酒を呑みながら、静かに言う。


「別に気になってないし」

「ガン見してたのに?」

「してない」

私が必死に否定していると、


「――メイ、冬吾に言いつけるわよ?」

早苗が私をじっと見つめて言う。


「な、にを言うの?」

早苗が珍しく酔っぱらっていて、なんとなく怒っているような口調で、少したじろぐ。



「浮気…」

「えっ?」

「澤野さんに見惚れてたでしょ?浮気じゃん。」


「見惚れてなんか、いないよ。」

ついムキになって言い返す。


―――ただ、なに話してるのか気になっただけで。





「二次会、行きますよー」

美樹の声で、二次会へと移る。



二次会に向かうのは、ほとんどが女性社員だった。


「私、帰るね」

私が美樹に言うと、

「ええ?メイさんも行きましょうよー!」

美樹に引き留められる。


「メイはこのあとデートなのよ、行かせてあげて?」

早苗が、美樹に言うと、美樹が渋々了承した。


「じゃあ早苗さん!行きますかー!」

酔っぱらった美樹のお世話を早苗が引き受ける。


「ほら、メイ…冬吾が待ってるよ?」

「早苗、ありがとう…」



――――冬吾と今日は会う約束してなかったけど…、

ちゃんと話さなくちゃ駄目だ…。


私は、冬吾に電話を掛ける。


『もしもし?メイ?』

「冬吾、話があるの…今から会えないかな?」


『―――分かった、今からメイの家に向かう』

「あ、私まだ外にいるから、出てこれる?」


『分かった、じゃあいつもの(ところ)で』








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