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いっこの差  作者: 夢呂
【第三章】
229/283

カウントダウンのあと

「「3、2、1、明けましておめでとうー」」

彩と愛梨がカウントダウンをして盛り上がる。


「新しい年かぁ…」

航くんが独り言のように呟く。


「俺たち今年、三年になるんだな―」

「だねー」

彩が頷く。


「お二人は、初詣一緒に行くの?」

愛梨がニヤニヤとしながら私と航くんを交互にみる。

「「えっ」」

私と隣にいた航くんが同時に声をあげる。



――――そういえば、誘われてた…。

返事返しそびれて…そのあと急にカウントダウンから一緒に過ごせることになって…今に至る。



「あとで、皆で行く?」

航くんが言う。

――――そっか…四人で…。


なぜか残念な気持ちになって、私は黙っていた。


「そうだね、じゃあとりあえず寝よ!」

「だね!」

彩と愛梨が寝る支度を始める。


「みんな、リビングで寝るの?お布団要る?」

私は、用意をするべきか、尋ねる。


「航は茗子の部屋ね」

彩が、ビシッと指をさす。

――――ドキッとした。


「何言ってるの?」

私がうろたえながら言うと、

「そーだよ、俺は(ここ)で寝るから、お前ら茗子ちゃんの部屋で寝ろよ」

航くんが早口にそう言う。



「えー、うちらのことなら気にしなくて良いのにー」

「そうそう、クリスマスの時みたいに二人で二階に行けば?」

彩と愛梨が忍び笑いをしながら言う。




「お前ら、いい加減にしろよ」

航くんが低い声で言う。

彩と愛梨が、驚いて黙る。


「俺のことはいいけど、茗子ちゃんが困るようなこと言うなよ!」



「航くん…」

――――私のこと、気遣ってくれたの?


「ごめん、ごめん。そんな怒んないでよ」

「航の言う通り、私たち茗子の部屋で寝るからさぁ」

彩と愛梨が苦笑いで謝る。


結局その日、私たち女子三人は、私の部屋で眠りについた。



朝方、喉が乾いて起きた私は、そっと部屋を出て、

キッチンに向かう。


キッチンに入る時リビングの前を通るから、

ソファーに横になっていた航くんが自然と目に入った。


――――あれ…毛布着てない…。

毛布が半分落ちて、寒そうに丸まって眠っている。


私は、航くんか寝ているソファーに近づき、

そっと毛布を掛け直す―――。


「え…」

手首をぐいっと引かれたと思ったら、

ドサッと航くんの上に乗っかってしまう。



――――航くん…起きてるの?

ドキドキしながら、退こうとすると、ギュッと抱き締められる。


「あったけー…」

寝言なのか、航くんが私の耳元でボソッと言う。



ー――その言葉に、私の胸が暖かくなった。


この気持ちはなんだろう…。

私は、航くんが好きなの?

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