クリスマスイブイブ
季節はあっという間に、冬になった。
今年のウィンターカップは予選で敗退してしまい、
今年の冬休みは比較的時間が出来た。
―――ハルくんやサクちゃんがいたら、勝てたかもしれないのに…。
悔しかったけど、
私もそろそろ自分の進路について考えなくてはいけない。
せっかくなので、とりあえず大学などの資料を取り寄せることにした。
冬休みに入って、本屋さんで参考書を探していると、
菜奈から電話があった。
「もしもし?」
『茗子?今、どこ?』
「本屋さんだよ」
『明日って暇?クリスマスパーティーしようよ』
「あ、明日ってクリスマスイブだね」
―――すっかり、忘れてた…。
『そうだよ、みんなでやろう!茗子の家で』
「え、うち?」
『だって、おばさんアメリカ行くんだよね?』
「まぁ…」
―――お母さんは、単身赴任中のお父さんがいるアメリカに冬休みを貰って、明日から出掛ける予定だった。
確か、冬休みに入る前に菜奈にはそのこと話したかも。
『帰ってくるの、元旦でしょ?茗子、心配だしさ』
――――気にしてくれてたんだ…。
「うん、分かった。じゃあ明日」
電話を切って、私は考える。
――――部屋を掃除して…、
あ、料理とかシャンメリー買い出ししなくちゃ。
友達だけでクリスマスを過ごすのは初めてで、
明日が楽しみになる。