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いっこの差  作者: 夢呂
【第三章】
218/283

沖縄で知ったこと

季節は秋になり、

私たち二年A組とB組は、沖縄に修学旅行に訪れていた。


「茗子!!」

首里城を見学していると、

菜奈と彩と甚のいるグループと遭遇した。


「菜奈!」

「茗子、私…話してないことあったわ」

菜奈が照れながら隣にいる甚をチラッと見て、言う。


「え、菜奈もしかして…」

甚と付き合えることになったの?

全部言うまでもなく、菜奈が幸せそうに頷く。


私は思わず、菜奈に抱きついた。

「良かった…」

私は、なぜか自分のことのように嬉しかった。

二人とも、私の親友だし、幸せになって欲しかったから。


「ありがとう、茗子」

菜奈が言う。


「あれ?ところで航は?一緒じゃねぇの?」

甚が照れながら話を変える。


「航くん?違うグループだから分からないな…」

私が甚に言うと、隣にいた愛梨が寂しそうに付け足す。

「他の女子にとられちゃったのよ…。航は人気だからねー」


「へぇ、残念なイケメンなのにな~」

笑いながら甚が言う。

「じーんー?航がかわいそうでしょー?」

菜奈がこの場に居ない航くんを庇う。


「茗子、最近また仲良くやってるみたいじゃん?」

甚がなぜか面白そうに言う。


「え、うん。航くん優しいよね…。彼女さんに悪いなと思いながらも、ついその優しさに甘えちゃうっていうか…」

私が最近の航くんを思い出しながら正直な気持ちを言うと、


「茗子、今、彼女…とか言った?」

菜奈が驚いたように言う。

「え、うん」

「彼女、居ないよ?あいつ、夏休みに別れたから。」

甚も驚きながら言う。


「え、茗子…知らなかったの?有名でしょ…」

愛梨も唖然として言う。


「航も、茗子には話したって言ってたのに…」

おかしいな…と甚が首をかしげる。


――――ん?彼女と別れた?


「えっ、なんで?」

私が一テンポ遅れて驚くと、

「――――さぁ?それは…知らないけど…」

急にみんな口を閉ざす。


航くん…別れてたんだ…。

自分もつらくて悲しかっただろうに、

私なんかに優しくしてくれて…。

本当に、優しいな…。



首里城の中を、

結局愛梨と菜奈と甚と彩と見てまわりながら、

お互い次の目的地に向かうため、別れた。


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