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いっこの差  作者: 夢呂
【第三章】
216/283

後夜祭に行こう

後夜祭の日、

航くんが、ちょうど教室の片付けを終えた私の前にやってきた。


「お疲れ」

「うん、お疲れさま」

―――なんだか、様子がおかしい…?

何か言いたそうなのに、言えないでいるような…?


「航くん、どうしたの?」

私が気になって聞いてみる。


「あのさ…」

航くんが、周りを見渡してから、小さな声で言う。

「…ごめん、聞こえなかったんだけど?」

裏方(ここ)には私しか居なかったけど、

教室の片付けをしている音がまだあちこちからしている。


うつ向いていた航くんが、急に顔を上げると私の顔を見て、言った。

「――――後夜祭、一緒に出ない?」

「え…?」

―――――それって…?


「だって、彼女さんは?出れないの?」

「………居ないよ」

「居ないの…?」

――――後夜祭に居ないのか…それは寂しいよね…。


「私で良ければ…」

私は、特に約束もなかったから、航くんのお誘いを受けることにした。

――――でも、本当に良いのかな?


「えっ」

でも、なぜか言い出した航くんが驚いている。


「航くん?どうしてそんな驚くの?」

そんな航くんの反応に、思わず笑ってしまった。


「いや…」

曖昧に言ったあと、明るくなった航くんが言う。

「じゃあ、行こっか!!」


「え、まだ他のところ…」

「終わった終わった!!」

私を教室から連れ出しながら、航くんが言う。


「良いの?」

「良いの!ほら、行こう」


私の手を引いて、航くんが早足で廊下を歩く。


―――あれ…?私いつの間に手を繋いで……?


繋がれていた手を見つめながら、

私は航くんの少し後ろを早足でついていく。



こんな気持ちは…久しぶり…。

わくわくして、楽しい気持ち。


――――航くんといると、明るくなっていく…気がする。

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