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いっこの差  作者: 夢呂
【第三章】
209/283

嫌がらせ?

「あれ?」

文化祭の準備も始まり、忙しくなってきたある日、

帰りにその日体育で使った体操服がロッカーにないことに気づく。


「茗子、どした?」

愛梨が私の声に気づいて聞く。


「体操服…持って帰ろうと思ったんだけど…見当たらなくて」

「え、まさかまた嫌がらせ?」

愛梨が深刻そうに言う。

「あの先輩たちじゃない?前にも体操服落書きされたりしてたじゃん…」


「え、まさか…」

だって、今私とハルくんは全く仲良くしてないし…。





でも、最近たまに、お弁当のお箸が無くなっていることもあったことを思い出して、私は少し怖くなった。


――――なんでまた?しかも今になって?



「言いたいことあるなら、直接言って来いよって思うよね」

愛梨が私に代わって怒ってくれる。






文化祭が前々日になり、

生徒会の仕事が遅くまでかかり、遅れて部活に向かう。


「あ…明日の宿題…」

教室に問題集を忘れてきたことに気が付く。


「茗子ちゃん?どしたの?」

「あれ、航くん…部活は?」

途中の廊下で、ばったり航くんに遭う。



「忘れ物、明日の」

「数学の問題集?」

「そう…って、茗子ちゃんも?」

「うん…」

お互い同じ忘れ物をして、なんとなく照れながら笑い合う。


二人で小走りに教室に行くと、

「え…」

知らない男子が一人、席に座って寝ていた。


――――その席は…私の…。


「お前…何やってんだよ」

航くんが、気づいて男子に声をかけると、

「……ん?」

起きた男子が、目の前にいた私に驚いて、教室から飛び出していった。


「…何だよ今の」

航くんが怒ったように言う。



―――私の席で…何を…。あの人、誰?



怖くなって、身体が震えてしまう。


―――私の体操服が無くなったのも…使ったお箸が無くなったのも…もしかして、今の人が?


「茗子ちゃん?大丈夫?―――茗子…」

航くんの声が遠ざかる。









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