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Ⅰ第漆話【公務員殺人事件 起】

 キャットライト事務所__


 ある日少し不穏な空気だった。

 ちょうどるりねが起きてきた。

「え、何があった」

「あ、るりねさん…おはようございます…それが…」

 サクラが申し訳なさそうにしていた。

「優媛とインリスが勝手に出ていったアル」

 王が説明してくれた。

「何故に!?」

「さぁ…」

 王とサクラがため息をつきながら言った。

「二人共、力的には強くないし、さらに優媛は神童だからね…」

 ラファエが言った。

「何かある前に連れ戻した方がいいよな…」

 広義がとてつもなく青い顔で言った。

 一番焦っているのは広義だ。無理もない。

「う〜ん…GPSは機能してる?」

 るりねが広義に聞いた。

「あぁ。問題ない」

「優媛が連れていかれないために着けたやつだね」

 そう、優媛にはGPSをつけていた。

 過去に優媛が一人で買い物に行った際に、

誰かに連れて行かれそうになった事がある。

 幼少期に誘拐されかけた事もある。

 それにいつの間にかどこかに行っていたりと、

危なっかしい為、スマホにGPSを入れている。

「お二人はどこにいるんですか?」

「?これは…愛媛の鬼北の方か?」

 愛媛県の鬼北町。

 愛媛県南予地方に属する町だ。

「何故そんなに遠くへ…ここは四国中央市ですよ」

 愛媛県の四国中央市。

 東予地方に属する市だ。

「え?遠いの?」

 ラファエはまだ日本の市町村を覚えれていない。

 困惑しているのが表情から伝わる。

 それを見かね、サクラが説明した。

「愛媛県は四国北西部一帯と瀬戸内海に浮かぶ小さな島々からなるのは覚えてますね?愛媛県はさらに東予、中予、南予地方に分かれます。」

「うんうん」

「ここ、四国中央市は東予地方の最東端ですぐ隣に香川県が隣接します。ですが、鬼北町は南予地方の町で、すぐ隣には高知県が隣接します」

「つまり…」

「距離およそ171kmです」

「遠!?」

 サクラの説明で理解したラファエが驚きの声をあげた。

「でも、なんで急にそんな所に?」

 るりねが皆に聞くが、

「私達にもわかりません。いつの間にかいなかったので…」

 《ピリリリリ》

 通信デバイスの通知が鳴り響く。

 るりねがデバイスの通話画面を開き、応答する。

「ちょっと待ってて…静波兄(せなにい)からだ。どうしたの」

 静波兄。塩苗静波(しおなせな)。

 るりねの実兄だ。

「今鬼北町にいるんだが、優媛さんとインリスさんここにいるぞ。大丈夫なのか?」

 冷静な口調で、男にしては高い声。

「大丈夫やないよ!今から行くけん、見張っといて!」

「わかったわかった」

 るりねは通話画面を切ると、皆の方を向き、

「今から鬼北町行くよ!」

 ――――

 愛媛県、鬼北町_

 るりね達が着くと、優媛とインリス。

 そして静波もいた。

 だが、そこは慌ただしく野次馬が集まっていた。

 その目の先には殺人現場があった。

「二人共!」

「事件ですか…でも、勝手に家から出ないでください!」

 サクラとるりねは二人の無事を安心しながらも、家から勝手に出た事を怒った。

 広義は完全に安堵の表情。

 ラファエと王も顔には出していないが、ほっと息をついている。

「ご、ごめん…」

「すみません…ですか…必死にお願いされたので…」

 二人も反省していた。

「まぁまぁ、二人が来たのには理由がある」

 静波が宥めるように言うと、いきなりひょこっとルミナスカーレッジメンバーの谷島狐姫奈が顔を出した。

「?ルミナスカーレッジの狐姫奈さん?」

「ちょっとね」

 さらに後ろには新たに男がいた。

「そちらの方は?」

「初めまして。私は狐姫奈様の執事をしております。時羽明日(ときはねあす)と申します」

「初めまして。某はるりねだ。そしてこの事件は何があった?」

 自己紹介をそこそこにし、るりねは事件の詳細を聞く。

「それは彼女に聞きましょう。優媛さんとインリスさんをこちらに呼んだのも彼女です」

 明日が指したのは一人の女性。

 確かにずっとこちらを見ていた。

「確かにそうだな。場所を変えよう」

 ――――

 警察署を借り、女性の話を聞くこととした。

 女性の名前は臥龍岡沙良子(ながおかさらこ)。

 今回の被害者の親友らしい。

 被害者の名前は田中陽子(たなかようこ)。

 市役所で公務員として働いていた。

「何故優媛とインリスを連れて鬼北町に?」

 仕事モードのるりねが問いかける。

「昨日仕事から帰る時に連絡が来て、『助けて!お願い!』って言われて、焦ったのでキャットライト事務所があったのを思い出したので、行ったのですが夜遅くというのもあってお二人しか起きてなかったようなので、焦ってたのもあってお二人についてきてもらいました」

 沙良子さんはそう言った。

「なるほど…」

「勝手な事をしてしまったのは申し訳ありません」

「いえ、お話ありがとうございました」

 そして沙良子さんは一度帰し、調査の方へ。

「広義、ラファエ、王、サクラは近辺調査よろしく。優媛、インリスは情報整理。静波、狐姫奈、明日は少し待ってて」

 るりねが冷静にそれぞれに指示を出す。

「「了解」」

今回の地は愛媛県四国中央市と愛媛県鬼北町です。

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