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聖女エレクトラ

レアタイプについて・聖女

種族の繁栄させるために作り出されたレアタイプ。

聖女の役割は絶滅しそうな種族を増やすこと、種族の保存、絶滅した種族の再興、新しい種族の作成である。聖女の体内には様々な種族の情報が保管されており、それを使うことで種族を生み出すことができる。


聖女は7人おり、それぞれに与えられた力があり、応じた特殊能力が使える。

彼女たちは普段は旅をしており、様々な大陸に移動しており、様々な種族と接触している。そのため、聖女全員が1つの大陸に集まることは基本的にない。


寿命がなく、何百年と生きている存在のため、怪しまれないように体内にある種族の情報を使い、好きな種族へとなることができる。

生まれた理由は元々、種族担当の神ヴェルダンディーがいたが、神が何もかも関与しては面白くなく、予想外のことは起こらないと考え、同僚であるウルズに作らせたことが始まりである。



前回のあらすじ

地の国にあるルキスの故郷グラッドについたレイたち。その村で英雄と同じレアタイプである聖女エレクトラと出会う。レイたちはルキスの案内の元に心当たりを探索していくことにした。

一方、アース大陸で魔王を倒した吸血人のマリクという男がシュガーを尋ねようとしていた。


****


 レイたちはルキスの案内で森の中を歩いていた。人の手が入っていないため、木の枝などを手でどかしながら進み、足元からは草木を踏みしめる音が絶えず鳴らされていく。

 ある程度移動すると洞窟が見えた。洞窟の入り口は墨で染まったように漆黒だった。


「ここだね。さっそく、中に入っていくよ」


 ルキスがそう言うと彼が初めに入り、レイたちはその後ろをついていく。その中には聖女エレクトラの姿もあった。

 洞窟内は外と比べて、少し湿った空気が流れていた。

 レイはエレクトラにあることを聞いた。


「エレクトラさんはどうして、グラッドに来たんですか?」

「面白い村があるって聞いたからだけど。見たことがない種族がいるかもしれないと思って」

「もしかして、聖女には種族が何かしら関係しているとか?」

「鋭いわね。正解よ」

「そういえば、アース大陸には英雄がいるんですか?」

「いることにはいるけど、ヴァン大陸と比べると少ないと思うわ」


 レイとエレクトラはそんなことを話しながら、先へと進んでいった。

 一方、洞窟の外では続々と人が集まっていた。白い服を着た部下が紫の服を着た隊長に声をかける。


「ズロン様、第1部隊が辿り着きました」

「ご苦労。私のあれは持って来てあるか?」

「もちろんです」

「ここに英雄たちが入ったという情報を手に入れた。ほかの奴らより早く奴らから地図を手に入れるぞ」

「了解です」


 ズロンとその部下はレイが持っている地図を横取りするべく、外で待ち伏せしていた。

 レイたちはどんどん洞窟の奥へと進んでいく。するとレイのリトスである銀の鍵が輝いた。それを見たアモルが彼に話しかけた。


「この反応は……レイ。やはり、この近くにあるのでしょうか?」

「リトスが光るときは何かがあるからね」


 今まで経験からリトスが光るときは何かがある。英雄たちはそう学習していた。

 歩いていくと一番奥までたどり着くと行き止まりだった。


「あれ、ないね」

「いや、よく見ると壁に何かがあるわよ」


 エレクトラにそう言われ、岩の壁をよく見ていると赤い球が埋まっていた。


「これを抜けばいいんだね」


 ルキスがそう言って、球を両手で掴み、引き抜くために力を入れていく。しかし、球が動かず抜ける様子は無かった。


「私、力には自身があるわ」


 そう言いながら、次に挑戦したのがエレクトラであった。彼女も引き抜こうとしたが、ルキスと同じ結果で終わった。


「私が抜けないとなると力とかではなく、何か技術や資格みたいものが必要ね」

「物語でよくある選ばれしものがーというあれ?」

「そう、あれ」

「なら、レイ。君の出番だ」


 エレクトラからアドバイスをもらったルキスはレイにバトンを渡した。


「一応、理由を尋ねていいかな?」

「今までの道中を思い出してみよう。そう、レイのリトスが光ったよね。これはもうレイの出番の合図だよ」

「理は通っているね。じゃあ、いきます」


 レイが球を手にした。すると球は赤く光り出し、あっさりと抜けた。球から放たれていた赤い光はレイの中へと染み渡っていく。

 その様子を見ていたアモルが彼のことを心配し、声をかけた。


「レイ、大丈夫ですか? 体に異常はありませんか?」

「大丈夫だけど……」

(今の何かが目覚める感覚はどこかで経験した覚えがあるんだけど……どこで経験したっけ)

「レイ、地図に何かの変化があるかも」

「そうだね」


 レイはルキスにそう言われ、懐から地図を取り出した。地図はソルムから星マークが消えていた。その代わり、別の場所に星マークが浮かんでいた。そこは……。


「これは雲かな? ルキス」

「ボクにもそう見えるね」

「つまり、次は雲の上に行くの?」

「そうじゃないかなー。雲の上に国があるかも」

「それは夢があるね」


 星マークが浮かんでいたのは大陸ではなく、地図の上に書き足された雲だった。予想外の場所に星マークが浮かんだため、レイたちは困惑した。

 しかし、アモルが前進するためのアイディアを口にした。


「とりあえず、シュガーに相談したらどうでしょうか? ルキスが連絡を取れるみたいですし」

「そうだね。まずはここを出ようか」


 彼女に意見に賛成し、レイたちはここを後にした。彼らが洞窟の外に出ると日差しが差す。今まで暗いところにいたため、目がほんの少し眩んだ。

 それと同時に外で起こったことを理解した。


「さて、地図を渡してもらおうか」


 外にはズロン率いる部下20名が待ち伏せしていた。彼はロボに丸い胴体に手足が付いたロボに乗っていた。


「あなたは誰です?」

「私はズロン。訳があって、お前たちが持つ地図が必要なんだ」

「いやだと言ったら?」

「力づくで奪うまで」

極光(アウローラ)


 アモルはフィデスを発動させ、体から溢れる恐慌を右手に収束し前に出した。


「極光撃」


 オーロラに輝く光は彼女の右手からズロンたちに放たれた。結果、立っているのはズロンと部下1名だった。


「もう壊滅です、ズロン様」

「このまま引き下がれるか」


 ズロンはロボを動かそうとしたが、動く気配が全くなかった。


「なぜ、動かない?」

「試運転しないからですよ」

「口が過ぎるぞ」

「でどうしますか?」

「撤収だ! 撤収!」

「分かりました」


 ボロボロになったズロンたちはレイたちに手を出すことなくその場から逃げていった。


「なんだったんだろう。ところでアモルはなぜ攻撃したの?」

「敵だったので。もちろん、加減はしました」


 レイとアモルがそんな会話を交わしている間にルキスはリトスを通じて、シュガーと連絡を取っていた。


「あっ、シュガー。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「なんだ?」

「雲の上に国ってある?」

「1回だけ行ったことあるが」

「本当にあった! どうやって行けるの?」

「シュテルとアイランに連れてられて、行ったからな。詳しい場所は知らない。とりあえず、シュテルのところに行けば、神出鬼没のアイランの場所は分かるだろう」

「アイランが場所を知っているの?」

「それもそうだが、あいつの神装があれば、便利だ」

「分かった、ありがとうね」


 シュガーとの通信を切り、ルキスはレイに話しかけた。


「シュテルさんのところにどうにかなるだろうって」

「じゃあ、ルークスに行こうか」


 彼らは次の場所へと向かうための情報を集めるためにシュテルがいるルークスに移動を始めた。


****


 シュガーは自分が納めている領地フレアにある屋敷に戻っていた。

 ある一室にシュガー、ジルニトラ、サタンがおり、それに加えて燃えるような赤髪と赤眼を持つ炎の精霊ラヴァがいた。


「シュガー、今のは何だったんだ? ラヴァが話しているというのに」

「仲間と話していた。もう一度話してくれ」

「イグニス様が見つからない」


 戦いの後、ラヴァはシュガーたちと別れ、新たなイグニスを見つけに行ったが、見つからなかった。それを相談するためにラヴァはシュガーを尋ねた。


「心当たりはないか?」

「まだ誕生していない可能性はあるが」

「あっ」


 シュガーが言った心当たりは彼女の頭から抜けていた。


「どれぐらいで誕生すると思う?」

「見当がつかないな。しかし、神核が先に生まれているはずだからそれの確保ぐらいじゃあないか、できることは」

「気が遠くなるな。問題は神核か……。イグニス様が神刀 焔を核にした時から作られたのか、イグニス様が死んだときに作られ始めたかで時間が違うな。それまで生き抜くためには……そうだ。シュガー、ラヴァを使徒にしろ」


 ラヴァが考えた末にとんでもないことを言い出した。


「使徒に……か」

「そうだ。べつにいいだろう」

「だが……」

「シュガーはイグニス様に恩があるもんな。イグニス様が力を貸してくれたおかげで今があるようなものじゃないか」

「……分かった。お前のことは嫌いではないし、むしろ気に入っている。500年ぐらい共に行動してきたからな」

「ラヴァも同じ気持ちだ」


 シュガーが右手で拳を作ると前に出すとラヴァも左手で拳を作り、前に出し拳同士をくっ付ける。


「神力をお前の中に送るから後は頼む」

「一度、使徒になったことがあるから、要領は分かる」


 シュガーからラヴァへと神力を送り、2人の体は赤く光っていく。そして、契約が結ばれる。


「これで終わりだ。ラヴァはこれからどうするんだ?」

「仮にもラヴァはシュガーの使徒だからな。シュガーの指示に従うさ。まあ、本命のイグニス様を探すのは時間をかけてやるけどな。それと1つ聞きたいことがあるんだけど」

「なにが聞きたい?」

「シュガーって、エインヘリヤルではなくカテーナを選んだだろう。エインヘリヤルの方がより個人の力を強くできそうなのにフィデスを強化するカテーナを選んだんだ?」


 今のところ、英雄の第3段階は2つに分かれていた。1つは英雄自身が神魂を取り込むエインヘリヤル。もう1つはフィデスで使役している対象に神魂を取り込ませるカテーナ。

 シュガーはエインヘリヤルではなく、カテーナの道を歩んでいた。


「それは俺が神魂を取り込むことができないからだ」

「どういうこと?」

「俺は神力を持っているため、神力で出来ている神魂を取り込もうとすると相殺しようとする。だから、取り込めない。神力そのものをもらうことはできず、よほど神力が尽きていない限りはほとんど無理だ」

「なるほど。だから、ジルに取り込ませたのか」

「その通りだ。未知なる領域だから手探りで次の段階を探している」

「エインヘリヤルって、どんなものなの?」


 シュガーとラヴァが話しているとジルが間に入って来た。


「エインヘリヤルは英雄としての自分を確立させる段階だ。完全なエインヘリヤルは今のところ、アイランしかいない。レイとイディナはエインヘリヤルに入門したに過ぎない。エインヘリヤルになれたとしても極めることができるかはまた別の問題になる」

「ふーん。なら、あたしとシュガーはどのような段階を歩むと思う?」

「今はジルと融合することでジルの力である竜の力を引き出している。その先は竜の力とは別の力を引き出すことになるだろう」


 シュガーはカテーナの更なる段階とは別に自分の相棒であるジルにある期待を抱いていた。それは彼女がエインヘリヤルになっているのではないかという期待だった。

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