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【10998-14324回目】

【12238回目】


 どうにかして、最初の犠牲となるマミの死を回避しなければならない。


 バーサーカーモードへとミノタウロスが移行すると、まず、間違いなくマミを排除しようとする。おそらく、奴にダメージを与えた量が多い順に攻撃をするのかもしれない。現に、死に戻りを繰り返している中で、最初の一撃は必ずマミに与えていた。


 攻撃を行うレベルが低い僕にターゲッティングするはずだと、奴の気を引いてみたが、全くと言って効果はない。


 であれば、僕はナイツに対して叫ぶ。


「ナイツ!! 奴はまだ生きている!! 【挑発】スキルを頼む」


「でも、奴は凍って動けないだろう?」


「いいから早くッ!!」


 僕の剣幕に押されて、ナイツは渋々といった表情で【挑発】スキルを発動させる。バーサーカー時には【挑発】は効かないとレオンは話していたが、実際に効果がないかを試したわけではない。少しでも可能性があれば、試してみる価値はある。


 だが、バーサーカーモードとなったミノタウロスは、一振りでマミの首を吹き飛ばし、胴体と首が分かれることになった。


 奴と戦闘をしながら、キュアのユニークスキル【蘇生】を発動させるのは不可能だ。その無防備な隙を見逃すほど、甘い相手ではない。それに、遺体の損傷が激しすぎる。首がない状態では流石に蘇生をすることができないかもしれない。


 クソッ。手詰まりか。だが、マミが死ぬ未来を僕は認めるわけにはいかない。


 僕はナイフで喉元を掻き切った。


 次。


【13917回目】


  ミノタウロスがバーサーカーモードに陥った際には、マミを最初に攻撃する。であれば、予測しやすい。僕はミノタウロスが高熱を帯びるや否や、すぐにマミを押し倒す形で、ミノタウロスの一振りを、間一髪で回避する。


「ちょ、ちょっと、なにすんのよ!! あんたにはキュアがいるでしょ!! この浮気者ッ!!」


「な、なんの話だ!! それよりも早く体勢を戻してッ! まだ、奴は生きている!!」


「え?」


 マミは信じられないといった様子だったが、次第に顔を青ざめる。だが、歴戦の勇者パーティーの一翼を担う魔法使いだ、ここからが本番だと、感じとったのだろう。真剣な眼差しで起き上がり、ミノタウロスの攻撃が届かない範囲まで後退した。


 よし、これでマミはひとまず大丈夫だ。また、マミが生きていることで、レオンも冷静になる。ここまでは順調だ。


「チッ、これが奴の本当の姿ってことか。まずは攻撃の回避に専念するぞ!」


 勇者のスキル【月歩】。体格差が生じる敵には、かなり有効な空中移動術だ。それを駆使して、ミノタウロスの黒い瞳が、追いつけないほどの高速移動で、奴の気を逸らす。


 死に戻りの中で、僕が音をたてたり、石を投げたり、ナイフで攻撃しても、奴は全く反応を見せなかったが、やはり、レオンを放置しておくと、危険と判断したのだろうか。奴の左腕、斧を保持していない腕を振り回して、レオンを掴もうと躍起になっている。


「遅いな、この程度では俺を捕まえることは出来んぞ」


 隙を見て【剣聖】のスキルで、斬撃を与えながらも、回避に専念する。ヒットアンドアウェイの戦法で、バーサーカーモードのミノタウロスに着実にダメージを蓄積していく。


「フガアアアアアアアア!!!」


 奴の雄叫び後に、空気が変わる。ミノタウロスは両手に斧を持ち、後方へと大きく引く。初めて見る構えだ。一体何を。


 奴は斧を横一閃に振り回す。だが、レオンは斧が描いた軌跡を回避。高く飛び越える。だが、怒れる闘牛は、コマのように回転をして、斧の斬撃を再度試みた。遠心力を使って、威力が上がっている。


「チッ」


 レオンの舌打ち。いつも冷静沈着で判断力に優れている彼にとっても、この行動は想定外だったのであろう。たまらずに距離を取る。


 その瞬間、奴は斧を手放す。辺りがスローモーションのようにゆっくりと時が流れた。最初に思ったのは、すっぽ抜け。自らの獲物である斧を手放すなんてその程度しか考えられなかったのだ。


 だが、その巨斧はレオンへと差し迫り、僕は気づいた。違う、すっぽ抜けではない、投擲したのだ、レオンに向かって。


「レオンッ、危ないッ!!!!」


 ゆっくり流れていた時が動き出す。ミノタウロスの斧には穂先に槍が付いており、その先端がレオンの腹を貫通していた。レオンは吐血をして、その場で微動だにしない。


「ギギハハハハハハハハハハハハ」


 奴は心底愉快そうに嗤った。吐き気をもよおすくらいの嫌悪感が全身を駆け巡る。僕は愉悦に浸る奴の黒い眼をじっと見据えた。覚えておけよ。


 僕は心の臓に、ナイフを突き刺して、自らの命を絶った。


 次。


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