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第二章  12

 リンの取り調べの話になります。少し過激な表現がありますが、よろしくお願いします。

               9


 捜査官に抱えられたまま、地下の取調室に連れて来られたリンは、全身を震わせていた。


 体中を駆け巡る痛みに、どうにかなってしまいそうだった。


 そんな中でも、リンはたどり着いた部屋の前で、立ち止まった。


 基本的にここは嫌いだ。


 調子が良かろうが悪かろうが、悪ければ特に、嫌なものは嫌だ。

 入りたくない。


 なのに、連行してきた捜査官に、無理矢理押し込まれた。


 入ると、部屋の中にはすでに捜査官が準備していた。

 何をって? 当然、取り調べの。



「久しぶりだな。リン、元気にしてたか? 

 その様子では素直には話してないようだが、立ってないで座ったらどうだ?」


 なれなれしい口をきくのは、リンの取り調べ担当フェルデ・チームのリーダー、

 フェルデだった。


 フェルデ・チーム。


 このチームは、多くの捜査官が所属している中で、

 一番、最強、最も厄介…

 いや、優秀な成績を収めている。


 相手にする者、言い方を変えると犯罪者に対する処置が、一番乱暴、いや、なんでもあり。


 成果が挙げられたらそれでいい。


 と、いう考え方の元、様々な取り調べが行われている。

 それが、拷問まがいのものであることは、捜査官の中では暗黙の了解であるのも、事実。


 それに文句の言える者は存在しない。


 なぜなら、ここの長官である、マラホイア自身が認めてしまっている。

 と、いうより。大乗り気。


 フェルデ・チームにとって、これ以上心強いものはない。


 だからこそ、マラホイアにとって、気がかりなリンの担当に充てた。


「何をしてもいいから、聞き出せ」


 至上命令だった。



 そのフェルデ・チームでさえ、聞き出せていない物があった。

 それが例の六年前と、三年前に関係している。



「今日は、色々聞きたくてね。リン。しかも、またやっただろう? 

 まさか、またやるとはね。

 ところで、リン、IDチップにどんな細工をしたのかな?」


「……ッ……」


「返事しないと。

 これはどこにいようと、絶対だ。

 返事をしないなら、それなりの処置をさせてもらわないとね」


 全身の激痛で、返事どころかじっとしていることも難しいリンには、酷というもの。

 分かっていて、それでも、


「返事は無しか。それでは、」


 そう言うと、同じチームの捜査官、ベナスとニールに合図を送り、

 リンを尋問専用の椅子に座らせ、体を固定した。

 その上で、手首と足首に電極の付いたベルトを巻きつけた。


「何も、何もしてない。……本当に何も、して…ない」

 リンの力ない声が漏れた。


「では、なぜリンのチップだけが確認できないんだ? 

 何かしたんだろ? 

 素直に認めたらどうだ? やりました。と」


 荒い息と、椅子に預けられた体で抵抗を試みるが、なんの効果もなく、


「やって、ない。……何もしてない」


 焦点は何とか合っている状態。

 表情は、厳しいとかいうレベルではない。


 もう、限界は超え切っている。


 その答えを聞いて、ニールはフェルデの指示で、電極のスイッチを入れた。

 ほんの数秒。

 すると、リンは悲鳴を上げた。


 どれほどのショックがあったか。


「どうかな? 何か認める気にはなったかな? リン!」


「はぁ、はぁ……グッ……ぅぅぅ」


「どうした? 

 返事。忘れてないか? それとも……」


「やってない、……本当に、何も……」


「また、それか? 

 そうそう、ここのカメラについてるマイクは、切ってある。

 ここで大声出しても指示はどこにも届かない。以前のような事態は、もうない! 

 いい加減に自分のした事実を認めるんだ。

 そうでなければ、……ニール!」


 ニールは、再度、スイッチを入れた。また、リンの……。


 次回リンの過去についての話になります。

 まだまだ続きます。よろしくお願いします。

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