アウェイの地で……
サッカー観戦のもう一つの楽しみとして、アウェイ遠征がある。
ちなみに、私の推しチームは川崎フロンターレ。
そして私自身も川崎在住である。
そうなると、比較的近隣にクラブが多く、遠征しやすい環境にあると言える。
中でも、最も気軽に行けるのが横浜F・マリノス。
電車でも30分ほどで到着できる距離である。
さらに、親戚にマリノスサポーターがいるため、チケットも先行販売の段階で確保してもらえる。
試合日が近づくと連絡をして、お互いのホームスタジアムのチケットを取り合う。
それが毎年の恒例であり、親戚との交流の機会にもなっている。
昨年取ってもらった席が、非常に居心地の良い場所だった。
スタジアムのコーナー部分。
そのため並びが二席か三席ほどしかないため、ゆったりと観戦できるのである。
本当は昨年と同じ、最前列の二席の場所が理想だったが、そこはすでに埋まっていたようだ。
だから今回も去年と同じその一つ後の席を確保してもらった。
そのエリアはいわゆるミックスゾーン。
ホームとアウェイのサポーターが混在している。
アウェイ側に近いこともあり、フロンターレサポーターの姿が多い。
この試合特有なのか、マリノスとフロンターレのサポーター同士が一緒に観戦している光景が特に多い組み合わせのようにも感じる。
異なる色のユニフォームを着た者同士が、平和に自然に会話を交わしている。
私の後ろの席もそうだった。
マリノスサポーター一人と、フロンターレサポーター三人で、楽しそうにサッカー談義に花を咲かせていた。
そんな中、前の席に座った三人組を見て、ふと違和感を覚えた。
あれ?
マリノスのユニフォームを着た男性、
フロンターレのユニフォームを着た男性、
そしてその男性の小さな子ども。
どこかで見た組み合わせである。
記憶をたどる。
そして気づいた。
去年も、この席に座っていた人たちではないか。
しかも、お子さんが少し大きくなっている。
二席前が広めの通路になっていて、視界が開けているだけでなく、子どもが多少動いても周囲に迷惑をかけにくい。膝の上でなく足元に子供が座れる。
子連れにとっては、確かに居心地の良い場所なのだろう。
アウェイの地で、メンバーがまったく同じ席に座る。
そんな偶然があるとは思わなかった。
少し来年が楽しみになってしまった。
そしてもう一つ、誰が座るのか楽しみになったシートができた。




