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風魔法使いの転生無双  作者: Syun
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Connect 長期休暇は素敵な旅を

 入学してから馬鹿みたいに忙しい日々を送ってきた気がしたが、時の経たない物語でもなし、さすがに暦は回っていく。いや正直、馬鹿みたいな騒ぎは数年に一回くらいでもいいんだけどな。この辺りが天の配剤だとしたら……そんなのは考えるだけで嫌になる。目の前の長期休暇が潰れるのだけはやめてもらいたい。


「長期休暇どうするー?」

「そうですね……」


 机に突っ伏しているセラは、おそらく帰省するという選択肢は無いのだろう。思案しているレアも微妙な感じなのだろうか。

 正直言うと、オレのやる事リストはかなり積み上がっているんだけどな。いい加減にネレとレヴとリーズにも会いに行かなきゃいけないし、エルも探さないといけない。ずっと前世と今生が綱引きしてるな。

 そんなことを考えていたら、特徴のある魔力反応が近づいてくる。


「ユリフィアスさん。お二人も。よろしいですか?」

「はい?」


 懇親会以降それなりに千客万来の傾向はあるが、ユメさんが一人で訪ねてくるのは初めてじゃなかったか。


「長期休暇ですが、水精霊の祝福は帰省も兼ねてステルラにあるわたくしの家とシムラクルムのレリミアさんの御実家に滞在しようということになったのですが、皆さんも如何ですか?」

「……ステルラは獣人の国で、シムラクルムは魔族の国だったよね?」


 セラが横目で確認してくるが、その通り。間違ってないな。

 ステルラにシムラクルム……なんて大仰に言おうとしたって、特に因縁があるわけじゃない。いや、シムラクルムにはあるか。あの人にも一発もらう覚悟がいるかもしれない。


「わたしたちもご一緒していいんですか?」

「ええ、是非」

「うん、私も興味はあるかな」


 レアもセラも乗り気みたいだ。

 ただ、なんだろうな。知人……友人……先輩後輩……同盟関係……オレ達の関係をどう表現したものかという問題もあるが、なんとなく、ユメさんの思惑はオレ達を客として招くだけではないような気がする。もちろん、悪意や極端な面倒事ではないとして。

 だからと言って、オレ一人の帰省を持ち出して断る道理もない、か。ステルラもシムラクルムも十年以上ぶりだ。この機会に再訪するのもいいだろう。

 それに、翼の皆の足跡を追うならいつか世界を巡らないといけない。これもいい機会なのかもしれないな。


「ああ、皆さんの御実家にも伺う時間を取りましょう」

「……いやー、ウチはちょっと」

「……わたしも、またの機会で大丈夫です」

「あ、あら。そうですか?」


 この辺りの問題も、何か解決の目を探さないといけないのかもな。先輩方二人の実家訪問は、その一助になるだろうか。

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