第一話 影のない青い火
はじめまして!冬月樹です。
本日より『名もなき英雄の残火』の投稿を始めます!
この作品は、名を残せなかった人々の願いと、それを受け取った少年の成長を描く物語です。人が誰かへ遺すものや、受け継がれた願いが次の一歩につながっていく姿を、書いています。
最初の3日間は複数話ずつ投稿し、その後は毎日1話ずつ更新する予定です!
カイたちがどのように成長し、どんな旅を歩んでいくのか、ぜひ見守っていただけたらうれしいです。
これからどうぞよろしくお願いいたします!
その青い火は、何も照らしていなかった。
日はもう山の向こうへ沈み、古戦場には薄い夜が降り始めている。目の前の火は濃い青の炎をはっきり立ち上げているのに、足元の枯れ草は色を変えず、傾いた石柱の影も炎に合わせて揺れなかった。
見えているのに、あたりの暗さは少しも変わっていない。
(どう見ても、まともな火じゃないよな)
なぜそんなふうに燃えるのかは、いくら見ても分からない。分かるのは、僕が立っている場所のことだけだ。村の子どもが、入るなと最初に教えられる場所。しかも隣には、七歳のノアがいる。
これ以上悪くなりようがない、などと思うのは、たいてい悪くなる前触れだ。
青い火へ手を伸ばしかけた所で、すぐ後ろから低いうなり声が聞こえた。重たい物を土の上で引きずる音が、それに混じっている。
「カイ兄……」
服をつかんだノアの手が震えていた。振り向かなくても分かる。うなり声の主は、もうすぐそこまで来ている。
話は、半刻ほど前に戻る。
◇
「北の灯籠、今日はカイが片づけておいで」
そう言って母さんは、作業台へ厚手の革手袋を置いた。灯籠の取っ手は、火を消した後もしばらく熱い。一度素手でつかんで痛い目を見てから、母さん――メリアは必ずこれを出してくれる。
「一人で?」
「十二歳にもなって、灯籠を三つ運ぶのが怖い?」
「古戦場から出てくるやつが怖いんだよ。灯籠はかみつかない」
母さんは薬草を束ね終え、少しだけ笑った。束へ指先をかざすと、小さな橙色の光がともり、葉に残っていた水気が白い湯気になって消えていく。
母さんの乾燥術は、村では珍しくない。火起こしや保温の術を一つか二つ使える人なら、ルカ村にも何人かいる。それでも、この村に魔術師と呼ばれる人はいなかった。術式を学び、戦うための術や大きな結界、深い傷を治す術まで扱えなければ、そうは呼ばれない。魔術をまったく使えない人の方が、村には多いくらいだ。
「灯守の決まりは覚えている?」
「日が落ちる前に戻る。北の柵を越えない。何かあれば、灯籠は置いて逃げる」
三つとも答えると、母さんは革手袋を僕の手へ移した。
「なら、任せるわ」
それだけの言葉なのに、革手袋を握る指に力が入った。
僕の家は、山村ルカで《灯守》をしている。村で人が亡くなれば墓までの道へ灯籠を置き、命日には火をともし、夜が来る前に持ち帰る。地味で、手が煤だらけになる仕事だ。
灯籠に火を入れるのに、魔術は使わない。
印を刻んだ道具があれば難しい術も安定するが、古戦場の近くでは細かな術ほど乱れる。誰が使っても同じ手順で同じように火がつくように、灯守は今でも油と火打ち石を使い続けていた。
その日も、灯籠を吊るして運ぶ横木を肩へ担ぎ、足元を照らす小さな作業灯を腰へ下げて家を出た。
どうして夜になる前に片づけるのか、小さい頃に父さんへ聞いたことがある。
「亡くなった人が、帰る道に迷わないため?」
子どもなりに気の利いた答えのつもりだった。父さん――ヨルンは、褒める代わりに墓地の北を指さした。
「逆だ。そこから帰ってきてはいけないものに、道を教えないためだ」
村の北には、百年以上前の古戦場がある。人間の軍と魔族の軍が争い、どちらが勝ったかも分からないほど多くの命が失われた場所だと聞いていた。
古戦場へ入るな。青い火を見ても追うな。誰もいない場所から名前を呼ばれても、返事をするな。
ルカ村の子どもは、文字より先にその三つを教わる。もちろん僕も守るつもりだった。少なくとも、家を出た時は。
西の灯籠を回収し、中央の灯籠を布で包む。残るは北の一つだけになった所で、道端に座り込んでいるノアを見つけた。
「何してるんだ。もうすぐ鐘が鳴るぞ」
「靴ひもが切れた」
ノアは泣くのを我慢するように唇を結び、片方の靴を両手で抱えていた。猟師の子なのだから、ひもくらい結べと言いたい。けれど根元から切れていては、どうしようもない。
(見なかったことにして帰ったら、あとでノアの母さんに僕が狩られるな)
回収した灯籠を道へ置き、荷ひもを少し切って靴へ通した。見た目は悪いが、村まで歩くくらいならもつだろう。
「立ってみろ。きつくないか?」
ノアはその場で二度足踏みしてから、ようやく笑った。
「大丈夫。カイ兄、すごい」
「ひもを結んだだけで尊敬できるのは、たぶん今のうちだけだぞ」
「カイ兄は帰らないの?」
「北の灯籠が残ってる」
「じゃあ、僕も行く。灯籠を持つの、手伝うよ」
ノアは村へ続く道ではなく、僕の横へ一歩寄ってきた。靴ひもを直してもらったぶん、何か返したいのだろう。小さな手が、僕の担いでいる横木の端へ伸びてくる。
「これは重いから、僕が持つ。一緒に来るなら、僕より前へ出ないこと。終わったらすぐ帰るぞ」
ノアはうなずいてから、北と聞いた古戦場の方へ目をやった。夕暮れの山風が吹き、柵の向こうの枯れ草が一斉に頭を下げる。
「古戦場の近くまで行くの?」
「柵の外には出ないよ。それに、灯籠がついているうちは白喰いも近づかない」
安心させるつもりで、そう答えた。
その約束を破るまでに、そう時間はかからなかった。
北の灯籠は、古戦場との境に立つ柵から五歩ほど村側へ離れた石台にある。あるはずだった。僕とノアが着いた時、石台には丸い煤の跡だけが残り、灯籠そのものが消えていた。
回収した二つを石台の脇へ下ろし、地面へしゃがみ込む。風で飛ぶ重さではないし、熊が持ち帰って明かりにするとも思えない。土には、重い物を引きずったような一本の跡が残っていた。
跡は柵の下を通り、古戦場へ続いている。
灯籠が自分で柵をくぐるはずはない。何かが、火のついた灯籠を古戦場へ引きずり込んだのだ。境を守る一つが消えた今、白喰いは日のあるうちなら奥から出ない、という村の言い伝えをそのまま信じていいのかも分からない。
僕の仕事は灯籠を回収する所までで、柵の向こうを調べることではなかった。大人の灯守でも古戦場へは一人で入らない。十二歳の僕が追いかける理由はどこにもない。
(父さんを呼ぼう)
迷う必要はなかった。灯籠一つで命を懸けるな、と父さんなら言うに決まっている。
「ノア、村へ戻るぞ。灯籠は父さんと探す」
返事がなかった。
引きずった跡に気を取られているうちに、すぐ後ろにいたはずのノアの足音が消えていた。
村の方へ向き直った時、柵の向こうから聞き慣れた声がした。
「カイ兄、あったよ!」
ノアが、柵の下の隙間をくぐって古戦場へ入っていた。
「どうして入った!」
「だって、灯籠が見えたから――」
ノアが指した先に、探していた灯籠が倒れていた。そのそばで、灯籠よりずっと大きな白い塊が動く。
犬ではない。脚が六本ある。
毛に見えたものは、体にこびりついた灰だった。顔には目も鼻もなく、頭の下半分を横一文字に走る細長い口だけがある。
父さんから特徴を聞いていなければ、悲鳴を上げていたと思う。声は出ず、代わりに息の吸い方を忘れた。
古戦場の灰を食べて育つ魔物、《白喰い》だ。
回収した灯籠を石台へ残し、音を立てないよう柵の下をくぐる。白喰いがまだ顔を伏せているうちに、数歩ずつノアとの間を詰めていった。
「ノア、動くな」
できるだけ低い声で言った。白喰いには目がなく、音と地面の揺れで獲物を探す。騒がずにゆっくり柵まで戻れれば、まだ助かるかもしれない。
青ざめた顔で、ノアがうなずく。
その時、村の鐘が鳴った。
日暮れを告げる低い音が、山の斜面と古戦場を震わせる。驚いたノアが一歩下がり、靴の下で枯れ枝が折れた。
白喰いの横一文字の口が両端へ広がり、頭を二つに割るように開いた。六本の脚が枯れ枝の音を追い、僕たちと柵の隙間へ回り込む。
心臓が大きく跳ねた。柵へは戻れないし、別の道を探す時間もない。
(奥へ逃げるしかない!)
「走れ!」
ノアの腕をつかむ。村へ向かいたくても、白喰いが戻り道をふさいでいる。僕たちは古戦場の奥へ走った。
「カイ兄、村は後ろ!」
「知ってる! 僕だって好きで反対へ走ってるわけじゃない!」
六本の脚が地面を蹴る音が、背後から迫ってくる。右には崩れた石壁、左には底の見えない谷。前方には半分土へ埋まった黒い石柱が並び、道らしい道はない。
昔はあったのだろう。けれど百年以上も前の道を、十二歳の灯守見習いに見つけろというのは無茶な話だ。
走りながら、腰の作業灯へ手を伸ばした。遠くへ投げれば、割れる音で白喰いを別の方向へ誘えるかもしれない。片手で留め具を探っているうちに、踏み出した右足のつま先が、土に埋もれた石へ引っかかった。
「うわっ――」
体が前へ投げ出され、作業灯が手から離れる。薄いガラスはすぐそばで割れ、甲高い音を古戦場へ響かせた。
ノアが僕の腕を引っ張っている。立て、と叫んでいるのだろう。けれど耳には白喰いの足音ばかりが響き、言葉がうまく聞き取れない。
その時、割れた灯籠の向こうで青い火がともった。
石と枯れ草の間に浮かび、風とは反対の方へ身を傾けている。
青い火を追うな。
古戦場の決まりが頭に浮かぶ。それなのに、どういうわけか僕には、あの火が誘っているようには見えなかった。
(呼んでるんじゃない。これは……何かを伝えようとしてる?)
理由は分からない。それでも、そう思った。
ほかに逃げ道があったわけでもない。僕は地面へ手をつき、青い火へ指を伸ばした。
触れた瞬間、古戦場が消えた。
◇
知らない男が、泥の上をはっていた。
左足は動かず、背中には折れた矢が刺さっている。それでも男は右手に握った一枚の布を前へ押し出し、肘だけで体を引きずっていた。
遠くで炎が上がり、人と魔族のどちらのものとも分からない叫びが重なっている。その向こうから、車輪のきしむ音が近づいていた。兵士に守られた避難民の列が、正面の谷へ向かっている。
男は、その軍の斥候だった。
本当は、騎士になりたかった。
父を早くに亡くし、母と妹を楽にさせたくて、村を出て騎士の試験を受けた。剣を振るうことなら誰より長く練習したのに、腕力も、魔力も、剣の才も足りなかった。
一度目は、最初の打ち合いで剣を落とした。二度目は最後まで立っていたが、一度も相手へ届かなかった。三度目には、試験官から「努力だけでは騎士になれない」と告げられた。
試験のたびに、母は少ない蓄えから旅費を出してくれた。傷だらけで帰る兄へ、妹は次こそ大丈夫だと笑ってくれた。その優しさが、男には何よりつらかった。
騎士を諦めてからは、軍の荷運びとして働いた。荷を運ぶうちに、一度通っただけの道の地形を覚え、風向きと土の違いから危険を読む力があると知られていく。その力を見いだしたのが、斥候隊の長だった。
初めて任された偵察では、崖崩れを避ける迂回路を見つけた。次の任務では、夜霧の中で迷った一隊を夜明け前に帰した。剣では誰にも勝てなかった男を、仲間たちが出発前に呼び止め、道を尋ねるようになった。
ようやく見つけた、自分にもできる仕事だった。
今度の任務を終えれば、一人前の斥候として認められるはずだった。給金も増える。雨漏りする家の屋根を直し、母へ新しい冬着を買い、妹を町の学校へ通わせることもできる。
出発の日、母は「立派にならなくていいから、生きて帰っておいで」と言った。妹とは、戻ったら地図の読み方を教えると約束した。
男が見つけた脇道を使えば、谷を通らずに山を越えられる。この地図を届ければ数百人を救えるうえに、斥候として初めて大きな役目を果たせる。それなのに帰り道で敵の矢を受け、知らせを届ける前に足が動かなくなった。
血と泥で汚れた布には、谷を抜ける道が描かれている。布の端には、出発の前の晩に母が縫ってくれた、麦の穂を二本交わした小さな印がある。
正面の谷は罠だ。崩れやすく見せかけた岩場の下に杭が並び、両側の崖には敵兵が隠れている。罠を知らずに谷へ入れば、兵士だけでなく、荷車の老人も、歩けない子を抱えた親も逃げられない。
数百人の命が、この一枚の布にかかっている。
罠へ続く道と脇道の分かれ目は、遠くからでは一つに見える。目印は、道の脇へ倒れた一本の柱だけだ。
倒れた柱の右脇へ入り、まっすぐ三歩。その先の岩の切れ目を、左へ三歩。
その通りに進めば、重なった岩と背の高い草に隠された脇道の入口へ立てる。一歩でも早く曲がれば入口は見えず、そのまま罠の谷へ続く道を選んでしまう。
入口の草をかき分ければ、脇道には荷車一台が通れる幅がある。子どもを抱いた者も、傷ついた兵士も、谷を避けて山の向こうへ逃げられる。
男は、自分がもう助からないと分かっていた。
それでも、死にたくなかった。
ようやく自分の仕事を見つけたばかりで、次の給金を母へ渡したかった。屋根を直した家で冬を越し、妹と机を並べ、地図の上で遠い町を指さしたかった。
生きて帰ると約束したのに、二人の待つ家へはもう戻れない。
ごめん、と男は心の中で繰り返した。悔しくて、怖くて、泥をつかむ指が震えている。
ここで動くのをやめれば、あと少しだけ長く息をしていられるかもしれない。奇跡が起き、誰かが見つけてくれるかもしれない。そんな望みを捨てきれない自分もいた。
その間にも、車輪の音は谷へ近づいていく。
男は布を握り直し、もう一度、肘を泥へ突き立てた。
騎士になれなかった自分が、ようやく必要とされた斥候の道だった。生きて役目を果たし、胸を張って家族のもとへ帰りたかった。
それは、もうかなわない。
だから今は、自分ではない誰かがこの地図を届けたことになっても構わなかった。自分の働きが報告書に残らなくても、母と妹へ伝わらなくてもいい。
命が尽きる前に、あと少しだけ前へ。伝えなければ。必ず誰かに。自分の命も、名前も、その後でいい。道だけは――。
声にならなかった男の願いが、熱になって僕の胸へ流れ込んだ。
男は最後の力で、泥の上へ布を広げようとする。けれど指は途中で止まり、布は道を示せないまま手の下へ沈んでいった。
(僕が伝える)
届くはずがないと分かっていても、そう答えずにはいられなかった。
男の姿が青い火の粉に変わる。炎も戦場も、音を立てずに暗闇へ溶けていった。
◇
「カイ兄!」
ノアの叫びで、古戦場へ引き戻された。
長い夢を見ていた気がしたのに、実際には一瞬しか経っていないらしい。白喰いは跳びかかる直前まで迫り、口の奥に並んだ黒い歯まで見えた。
(今のは何だ?)
考えたいことはいくつもあった。けれど目の前の白喰いは、答えが出るまで待ってくれない。
足元へ、青い光が三つ浮かび上がった。
一歩、二歩、三歩。
人の足跡の形をした光が、崩れた石柱の右側へ続いている。なぜか僕には、それが安全な場所を示しているのだと分かった。
「ノア、僕の足だけ見ろ。絶対に違う場所を踏むな!」
最初の光を踏んだ瞬間、白喰いが飛びかかってきた。
ノアの襟をつかみ、二つ目の足跡へ向かって横へ跳ぶ。前脚の爪が背中をかすめ、服が三筋に裂けた。遅れて熱い痛みが走ったが、傷を確かめる余裕はない。
崩れた石柱の脇にある三つ目へ、ノアと一緒に転がり込んだ。
青い足跡は、そこで消えた。
白喰いが、僕たちのいた場所へ着地する。その六本の脚の下で、黒い地面が割れた。
土だと思っていたのは、昔の地下道をふさぐ薄い石板だったらしい。僕とノアの重さには耐えたのに、白喰いの巨体までは支えられなかった。
白い獣は灰をまき散らしながら暗い穴へ落ちていき、少し遅れて、地の底から怒り狂った鳴き声が響いてくる。
死んではいない。だが、すぐには上がってこられないだろう。
「た、助かった……?」
ノアは座り込んだまま、穴と僕の顔を何度も見比べた。
「たぶん。少なくとも、今すぐ食べられる心配はなくなった」
「今の何? カイ兄、白喰いが飛びかかるのが分かったの?」
「攻撃が見えたわけじゃない。爪の届かない場所へ行ける、青い足跡が見えたんだ」
「青い足跡?」
ノアは僕の足元へ目を凝らしてから、首を横へ振った。
「僕には見えないよ。どうしてカイ兄だけ?」
「それを僕も考えてる」
答えながら、胸へ手を当てた。青い火は消えていない。熱くはないのに、そこで確かに灯っているのが分かる。
名を残せなかった斥候の願いと、山村ルカで十二年を生きてきた、カイという僕。
あの男の最期は、僕の記憶ではない。それなのに泥の冷たさも、動かない左足の重さも、今では自分のことのように覚えていた。
(まずはノアを村へ帰す。それから父さんと母さんに話す。信じてもらえるかは……後で考えよう)
立ち上がり、村へ戻ろうと強く念じてみる。胸の火がもう一度揺れ、足元に新しい三歩が現れた。来た道から少し西へ外れた方角を示しているのは、白喰いを避けて柵へ戻れる道なのだろう。
「帰れる?」
「たぶん。この足跡が、帰り道でも嘘をつかなければ」
一歩目を確かめようと顔を上げ、そこで言葉を失った。
古戦場の奥、折れた石柱の向こうに、青い火が浮かんでいた。
一つや二つではない。十、二十――数え切れない。
夜空の星を、そのまま地上へ移したようだった。
あれがすべて、誰かが最後まで手放せなかった願いなのだとしたら。胸に宿った火が、かすかに揺れる。
無数の残火は声も立てず、長いあいだ待ち続けていた。
自分たちを見つける、たった一人の人間を。




