○○○年 八月 十三日
今日戦士ギルドにやって来たのは、他の街でそれなりの実績を上げてきたパーティ。リーダーの女性が銀階級で、それ以外の顔ぶれは魔法銀が二名に、鋼が一名、鉄が二名の計六人パーティだ。
ただ、それぞれの職種が結構被っている、特殊なパーティだった。普通は前衛三、四人なことが多いのだが──このパーティは、一人の神官以外の五名が戦士系の職業なのだ。
均衡悪くね?
とか言えるわけはない、リーダーである聖騎士の女性には何か考えがあるのかもしれない。
問題があるのならギルド受付に申し出て、別の構成員に替えることもできるのだから。
だがどうやら、彼女らのパーティはこれでいいらしい。他の冒険者が話していたのだが、彼女らのパーティは、回復役の神官以外の全員で敵に突撃して蹴散らす戦法を使い、勝利しているらしい。
陣形を使った戦技というわけだ。かなり型破りだが、最近はこういった方法を戦術に組み込んでいるパーティも多いと聞く。
そのうちギルドから正式に「組織戦技」とか「陣形戦術」とか名前が付けられて体系化されるのかもしれない、と噂されている。
冒険者って本当に面白いわ。




