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ある受付嬢の非公開日誌  作者: 荒野ヒロ
七月から九月の終わりまで

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○○○年 八月 十九日

 朝礼が行われたとき、ルゲールト戦士ギルド長のウォレスカー・メディオスが言った。


「定例通り明日私は会議のために、この街を離れるが、帰って来るまでのギルドの管理を副長のモウラスに任せる、皆も支えてやってくれ。以上だ」


 副長……そういえば、そんなのもいたわね。存在が薄すぎてすっかりと忘れていたわ。

 というか、どんな奴だったかしらとギルド長の横に立つ小男を見る。


 うちのギルド長も、屈強な戦士の多いギルドの長らしからぬ線の細い男だけれど、この小男はいったい、どういった理由で副長などをやっているのだろう? 私は疑問に思ったことをメネレアに尋ねてみた。


「え? あぁ……それは、噂だけれど戦士ギルドに多額の献金けんきん寄与きよしたからだとか……まあ、あまり戦士ギルドの管理職に相応ふさわしいとは思われないですよね」


 あの見た目だしね、と口にした私の背中を手の平で軽く打ち、メネレアは笑い出した。


 うちの父親もギルドに献金しているらしいが、はっきり言って戦士ギルドに顔を出して欲しくない。


 金稼ぎにうるさいベルツドラウ家の娘と知られたら、戦士ギルドで働く同僚たちから何と言われるか、分かったものではない。世間の連中が私の父親をどう思っているかなど、聞いたことはないけれど、きっと物語に出て来るような権力者にり寄る、小汚いおっさんだと思われてるに違いない。


 素性ばれは避けたいところである……

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