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72. 魔法のランプ2

 壁にめり込んだアラジンの腕がピクっと動いた。


「よかった。死んでなさそうだ」


 今のうちに魔神を撮影する。

 魔神はゆらりと余裕で立っている。


 ユニークスキル 撮影者 起動

 換装 如月(35-150mm)


 撮影


 カウントは写真の良し悪しで枚数が変わる。

 ポートレートの場合、視線が向いていることがカウント数を上げる。

 魔神は余裕の笑みでこちらを向いている。


 立ち位置を変えて様々な角度から撮影する。

 その全てにちゃんと()()が合っている。


 俺は高速で移動しているにも関わらず、魔神に見られている。

 なんなら、撮影のテンポに合わせてポージングを変えてくれている?


「ちょっと前屈みでお願いしまーす」

 と言ってみた。


 やってくれるのか、ポージング。


 この魔神、師匠の本体と同じくらいのボリュームを持ってる。

 前屈みになるととってもセクシー。


「ありがとうございまふ」


 鼻血を押さえながらお礼を言う。


『はぁ。残り枚数3枚です』

 メーティスさんが呆れながら残り枚数を教えてくれた。

 74枚分のカウントが溜まったようだ。


「グォォォォォォォ」


 壁に埋まったアラジンが壁を抜け出し

 上段から切りかかってくる。左腕で受け止める。


 ブシュ。


 アラジンの腕から血が吹き出した。


 肉体強度を上回る力での攻撃の代償。だから師匠はこの世界に来たばかりの俺に肉体強度を上げる修練をさせたのか。魔素の運用のみで力を引き出すとアラジンのように肉体が耐えられなくなるということだ。本当にこの世界は楽させてくれないな。



 ブシュ、ブシュ。


 腕だけでなく、アラジンのズボンにも血のシミが広がる。


「おい、魔神」


「あたしにはジーニっていうちゃんとした名前があるし」


「ジーニ。このままだとアラジンが死ぬぞ」


「ええ、超ウケる。死んだって動いていれば死んでないし、あた、あタシの、アラじん。あたし、の、死、死、シ、シ」


 ランプの魔神ジーニの首がガクガクしている。目が暗闇のように落ち窪んで先ほどまでの美しさゆえに異常事態なのは火を見るより明らかだ。

 絶対にやばい。


 かなりホラー寄りのジーニを如月で50mm F2.5で撮影する。

 露出はマイナス1EV暗く写すことでジーニの禍々しさを引き立たせる。


 クリティカルカウント 3枚。


『規定枚数をクリアしました。武器化が可能です。』


 起動(アクティベート)

 如月が忍者刀に変化する。


「そこだぁ」


 俺は、アラジンとジーニの間の空間を如月で斬りつける。


 するとアラジンが糸の切れた人形のように崩れ落ちる。


「アラジン!」


 ガンザスがアラジンに走り寄る。

 アラジンの肉体は限界ギリギリだったようだ。


「ガンザス。アラジンを頼む」


 俺は、狂気に染まったジーニに向かって如月を構える。


「師匠、アラジンを助けることはできるか?」

「ふむ、過剰の魔素に蝕まれておる。分体である妾には難しいのじゃ。しかし、黒いのならなんとかなるやもしれぬ。だが、あやつはおらぬゆえ、どうしたものか・・・・」


 そういえば、黒いの=桔梗と俺は桔梗の制限の繋がりを使って遠距離通話が可能だ。


(桔梗、聞こえるか?)

(我を呼ぶとは、緊急事態か?)


(アラジンが見つかった。砂漠のダンジョン。砂塵の墓所だ)

(ちょっと待て、いま ギアナと合流しておる。スピーカーにするからちょっと待て)


 なんだよスピーカーって?今はそれどころじゃないな。


(アラジンを発見したが魔神の魔素にやられて死にかけている。桔梗の助けがいる。なんとかダンジョンまで来れないか?)


(アラジン!アラジンがいるのですか?死にかけて・・・・。桔梗さんお願いです。アラジンを助けてください。)


 この声は、バドゥール王女様か!?

 桔梗のやつこうなることがわかっててみんなに聞こえるようにしたな!


(わかっておる。今からそちらに向かう。我が行くまでアラジンに応急処置をしておくのじゃ。心臓マッサージと人工呼吸をな♡)


 ランプの魔神ジーニが異常な状態でのんびり人工呼吸なんてやってらんないぞ!


「ガンザス。アラジンに人工呼吸と心臓マッサージを!桔梗がくるまで持たせるんだ!」

「任せとけ!」


 頼もしいぜ。ガンザス!


 ガンザスは30歳手前くらいだが筋肉質で整った顔立ちをしている。

 そして、アラジンも同じくらいの年齢で、長い黒髪でまつ毛の長い美青年だ。

 そんな2人の人工呼吸。なぜか背景の魔素が薔薇の形に集まっている・・・・


 この黒い点で形作られた薔薇・・・どこかでみたことあるような・・・

 おお、漫画で使うトーンだ。これ。

 え?なんでこんなエフェクトが出るの???


 なんか、ガンザスの線が細くない?気のせい?

 目がキラキラで、髪の毛サラサラ。花ゆめやマーガレット的な?


「アラジン・・・」


 ガンザスの頬に赤いエフェクトが見える?


 俺ちょっと疲れてるかも。

 目を擦ってみる。


「アラジン、アラジン、死ぬな!」

 懸命に心臓マッサージを続けるガンザス。


 よかった。ガンザスもアラジンも普通だ。

 何が起こったんだ?


 いや、それよりも魔神ジーニの方だ。

 アラジンは桔梗がくるまでガンザスに任せよう。


「シぬ。アラジン。シぬ?やっと私のものになってくれるシ」


 周囲の魔素が魔神ジーニに集まる。


「キャハ、ハハハハハハ」


 やばい。来る。


 気づいたら目の前に魔神ジーニが現れていた。

 単に右からの回し蹴り。


 ギリギリで如月(35−150mm)の忍者刀で受ける。

 が、受けきれない。ダンジョンの壁面に叩きつけられる。


「ぐぅ」


 すでに目の前には魔神ジーニの姿がある。


「邪魔。邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔だしぃ」


 腕をクロスして防御を固めているが、魔神ジーニの両拳のラッシュが俺をさらに壁の奥へ押し込める。


 速い。すでに俺は師匠の制限は解放している。その状態でも魔神ジーニは圧倒的に速い。かろうじて、移動する姿が見えるレベルだ。攻撃力はまだ防げている。


「ふ、がぁぁ」


 短く息を吐いて、魔神ジーニの拳を弾くように魔素を解放する。

 俺の周りの壁と共に魔神ジーニの体ごと吹き飛ばす。


 気合い入れ直す。

 魔素の循環を限界まで加速させる。

 さらに瞬脚を使って速度を上げる。


 吹き飛んだ魔神ジーニに向かって如月で斬りつける。

 驚いたような顔の魔神ジーニがにこりと笑う。


 消えた。


 そうか、まだ本気じゃなかったってことかよ。

 俺のユニークスキル『撮影者』は、武器化すると対象に対して必ず有効打を与える。

 しかし、当たらなければどうということはない。


 相手の攻撃を躱し続けるのは楽しいが、逆をやられるとこれほど腹立たしいとはな。


「アラジン。愛しいアラジン。貴方がシねば、あたしはランプから解放されるし。ああ、憎い、憎い、愛おしいわ。あんたもいいよ。可愛いシ。アイシテアゲルワ」


 気配察知スキル発動。


 後ろ!


 振り向き様に斬りつける。浅いか?


「痛ーい。キャハハハハハハハ」


 やばいな。気配察知と最大強化でやっと場所がわかる程度。

 早く来てくれ、桔梗。

アキラが疲れているのではなくて、憑かれている感じですかね〜。

登場はまだまだ先ですが、ちょいちょい干渉してくる登場人物がいます。


お楽しみに!

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