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40. スキルスロット

 温泉で気を失ってからどのくらい経ったのだろう。

 フルーツ牛乳をご所望の師匠に起こされたので 1時間は経っていないと思う。


 師匠が妙にツヤツヤしているのは気のせいだろうか。

 俺、何かされたのだろうか?妙に体がスッキリとしている気がする。



 ・・・・気のせいか。



 体は乾かされており、腰にはタオルがかけられていた。


「やっと起きおったか。早く服を着てフルーツ牛乳を作るのじゃ」


 師匠のしっぽがブンブン。

 ソラちゃんがプニプニ。


 そんなに?そんなにか?


 どれだけフルーツ牛乳を楽しみにしてるんだよ。


 それじゃぁ。作りますか。


 今手に入る材料は、レモン、りんご、いちじく、ざくろ、柚子。

 本当は、バナナやイチゴ、桃が欲しいところだが、そこは配分で工夫してみよう。


 使う材料はレモン汁少々、りんごジュース、ざくろ、それと牛鬼のミルク。

 ワルドのシロップこと世界樹の雫を入れて甘みを足す。


 最初は、ちょっとレモンが強すぎた。これはこれでさっぱりしていていいが、酸味が強い。ざくろにも酸味があるのだからレモン汁は少し控えめに。


 次の試作は、かなり美味しかった。ただ、もう少しざくろ感があったほうがおいしくなる。それから、りんごは果汁だけでなくすりおろした果肉を加えてみる。


 完成だ。初めてフルーツ牛乳なんて作ったけど、今まで飲んだフルーツ牛乳の中で最高にうまい。そもそもの話だが、素材が良すぎる。牛鬼のミルクは濃厚で甘味がある。そこに、世界樹の雫でさらに甘みを加える。この時点ですでにうまい。そこにりんごの優しい甘みとざくろの甘みが加わって、レモンの酸味が後味をスッキリとさせてくれる。


「できた」


「できたのか!早く飲ませるのじゃ」

「ソラも飲みたいよ〜」


「はいはい」


 ダーシュの作ったガラス瓶に並々とついで2人に渡す。


 ちなみに、ダーシュはガラス細工にハマッたようで、さまざまな食器を作っている。

 村の守護の仕事はどうしたのだろうと思わなくはないが、村自体が平和だから問題ないのだろう。その中に、牛乳瓶にピッタリなものがあったので、もらってきた。


 そして、忘れてはいけない、風呂上がりの牛乳を飲む作法。

 足を肩幅に開き、左手を腰に当て、右手でグビグビ、ゴクゴクと全力で飲み干す。

 これは異世界であっても曲げてはいけない。


 師匠、俺、ソラちゃんの順に並んで、足を肩幅に開いて、左手を腰に、右手に持ったフルーツ牛乳を飲む。ソラちゃんも、ちゃんと左の触手を腰?に当てて飲んでいる。


 はわぁ、ソラちゃん、かわゆい!


「・・ぷはぁ。うまいのじゃ!風呂上がりに最高の飲み物じゃな!」

「アキラ。ソラね。これも好きだよぉ」


「ふふふ、フルーツ牛乳は最高だからな。ちなみにコーヒー牛乳というものもある!」

「なんじゃそれは!飲みたいのじゃ」

「残念ながら、コーヒー豆がないと作れないのさ」

「それは残念じゃの。そのコーヒー豆というものはどういうものなのじゃ?」

「何かの木の実の種だけを乾燥させて、焙煎したものがコーヒー豆で、粉にしてお湯で抽出したものが、コーヒー。少し苦いけど美味しい飲み物なんだ。俺は焙煎されたコーヒー豆しか見たことないからなぁ。どんな木の実なのかはわからないんだ」


『コーヒーの木は最大10mにもなる大きな木で、コーヒーの実は、コーヒーチェリーとも呼ばれる赤い果実です。その実は枝に密集して実ります。雨季と乾季のある地方で育ち、日当たりがよく、水はけの良い土地で育ちます。年平均の気温は20度ほどの地域が適しています。特に高地では、昼夜の寒暖差が大きいため、実が引き締まり、味わい深いコーヒーになるとされています。』


 コーヒーの実の映像とともにメーティスさんが解説してくれた。

 さすがメーティスさん。いやもはやメーティス先生と呼ばせていただきたい。


『お断りいたします。』


 つれない。。。


『神の頂は、5千m級の山の連なる山脈に囲まれた盆地になります。コーヒーの実の育成条件としては問題ない範囲にあります。そのため、神の頂内で自生している可能性があります。』


 俺は、師匠にコーヒーの実についてカクカクしかじかと伝えた。


「なんじゃ、それならこの村にもあるのじゃ。食べられる実の少ない果実で、口に含んで味を楽しむものじゃがな。その種にそのような使い方があったとは驚きじゃな」


 と言うわけで、明日の風呂上がりは()()()コーヒー牛乳を飲むことに決まった。ついでに、一緒に温泉に入ることにもなった。忍びの者はどんな状況でも冷静でなければならぬのじゃ。これも修行の一環じゃとかなんとか訳のわからないことを言っていた。そして、寝るのじゃと言って寝所へ去っていった。





 師匠の本体の撮影をしてから、師匠の親密度が上がった気がする。

 明日の露天風呂・・・冷静でいられる自信がない。


 明日のことは明日考えよう。このままだと寝ることすら難しくなりそうだ。

 平常心・平常心。ひっひっふー、ひっひっふー。


 今考えるべきことは、ユニークスキルの進化。

 スキルスロット1についてだ。


 動画を撮影したことによって出てきた能力なので、動画に関連していると予想できる。そしてスキルをスロットするであろうこともわかる。肝心なのは、そのスキルがなんなのかということ。それはどうやって手に入れれば良いのか。


 それがわかれば、力が手に入る気がする。


 ということで、メーティスさん解説よろしくお願いします。


『はい。マスター。スキルスロットとは、対象者のスキル使用時の動画を撮影し、スロットへ設定することで、その動きをトレースすることができます。』


 つまり?


『相手の技・魔法を動画に撮ることで真似することができます。』


 きた。俺の時代がやってきた。



『先ほど、個体名:ダーシュの葉隠短剣術の動画をスロットへ設定してください。その後、スキルスロット1を発動させます。』


 メーティスさんに言われた通りにやってみる。


 体が、勝手に構える。そして、ダーシュの見せてくれた葉隠短剣術の8型を魔素の流し方も含めて寸分の狂いもなくトレースする。


 このスキルスロットの特徴がわかった。

 一言で言えば融通が利かない。


 動かしたことないような筋肉まで動かされる。そして、俺の体が耐えられるかどうかなどお構いなしに、その動きをする。魔力による魔素の操作も同じだ。体に流す魔素の量に耐えられるかどうかに関わらず魔素を流す。


 今回の葉隠短剣術は俺が見えるように()()()()()()()やってもらったものだ。


 それでも、体が悲鳴をあげている。肉離れを起こす寸前というか、これ以上動かせませんという体からのストライキが聞こえてきた。


 魔素を体に流す量もギリギリだった。

 ちなみに、過剰に魔素を流した場合、大人のマッサージこと成人の儀式で感じた激痛が走る。さらにそれを超えると爆散する。


 つまり、使いこなすのには相当の努力が必要となる。




 ・・・・お手軽に最強ってスキルてのはないのかよ!




 まぁ、全ての武術は模倣から始まる。型を覚えるのに時間がかかる。そこをショートカットできるのだから、すごいっちゃすごい能力なのだ。


 だが、今日はもう発動させないでおこう。

 体がもたない。てか死ぬ。


 強制的にマネさせられるとはいえ、色々と動画のバリエーションがあると修行に使えそうだ。明日、この能力について師匠たちに話しておこう。色々と動画撮影させてもらおう。




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ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。


もし物語を少しでも楽しんでいただけたようでしたら、

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今後の執筆の力になりますので、応援していただけたら嬉しいです。


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