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19. 特産品 その2

19話目です。

もしよかったら、コメントとかもらえると嬉しいです。

 ヴィリジアンヴィレッジを訪れて4日目。

 朝6時起床。先日同様、師匠に抱えられて村に到着。


 ダーシュの家に直行する。師匠もついてくる。


「楓様、おはようございます。アキラもおはよう」

「うむ」

「おはよう、ダーシュ」


 家に着いたら、すでに炉に火が入っていた。

 この村で一番若いダーシュも600歳以上、人間で言うと60歳オーバー。その朝は早い。


「さて、ガラスの器を作っていくぞ」


 メーティスさん説明お願いします!

『わかりました。まず、貝殻を焼き、石灰を作っていきます。』

「まず、貝殻を焼く」


 湖で採ってきた貝殻を炉に突っ込んで真っ白になるまで焼いて、粉々にする。


『次に湖の砂を鉄の器に入れて石灰を混ぜます。その後、1,700度以上の炉に入れて溶かします。』

「石灰を混ぜて、鉄の器に入れて、炉に突っ込む」


 しばし待つ。

 炉の中で硅砂が溶けて赤熱する。

 鉄の棒にくっつけて取り出して、金床で形を整え、、、、難っ!

 変な形で固まってしまった。


「ま、まぁ、こういう感じで赤熱しているうちに形を整えて、冷やすと器が完成する」

「なるほど、鍛治とは少し違うが、やってみよう」


 ダーシュが金バサミを使って器用に器を作っていく。

 シンプルに丸い器なのだが、湖の砂に混じっている成分のせいか、薄い青色が非常に美しい。


「ダーシュ。これすごく綺麗だ。めちゃくちゃいい」

「ふむ、これほど美しいものは見たことがないのじゃ」

「綺麗だよぉ。ソラ入る」


 ソラちゃんが、ぽにょんと器に入ってぽよぽよする。かわゆい。

 ダーシュに器の量産を頼んで、ドルフさんのところに向かおうと扉に手をかけた。

 その時、ダーシュが呼び止めてきた。


「アキラ、ちょっと待て、昨日お前が倒したホーンラビットを捌いておいた。肉を持っていくか?」

「ありがとう。ダーシュ喜んでもらうよ」


 ドルフさんの家に着くと、そこには、フクさんがいた。


「楓様、おはようございます。アキラ、あんたも元気そうだね」

「うむ」

「フクさん、おはようございます」

「ソラ分体:フクのワルドの魔素抜き最高だね。追加でワルドシロップを作ってみたよ。これを生ワルドゼリーにかけるともっと美味しくなるんだよ」


『告。ワルドシロップは、煮詰めることで糖度が上がり、保存が効くようになっています。』

 おお、メーティスさんが教えてくれた。これ、特産品その2になるんじゃないか? 

 なんとなく、ガウスでは甘味は貴重な気がするし。


「そのワルドシロップを入れて保管できる物をダーシュに頼んでみよう」


 さっそく、ダーシュのところに向かい瓶を作れないか試してみる。

 もちろん、俺のは全く形にならないが、作り方の雰囲気は伝えられた。

 空気を入れてながら形を整え瓶にするという俺の雑な説明をヒントに、器用なダーシュは風魔法を使って形を整えていく。そして瓶が出来上がる。ちゃんと蓋ができるクオリティ。まじでダーシュすごい。

 この瓶も量産してもらおう。


 作り上がった、試作品の器と瓶を一つづずもらい、フクさんの元へ戻る。


「なんだい!この綺麗な器は!これに生ワルドゼリーを盛り付けるのかい?それにこの瓶も綺麗だねぇ。これにワルドシロップを入れればいいのかい?」


 フクさんがガラスの器に生ワルドゼリーを盛り付ける。その上にミントをのせる。

 そして、瓶の7割くらいまでシロップを入れる。


 生ワルドゼリーを日の差し込む窓辺のテーブルに持っていく。

 麦わらで編んだランチョンマットの上に青いガラスの器が映える。日の光を浴びて、小さな気泡がキラキラと輝く。生ワルドの実の入ったゼリーが涼やかだ。ミントが色味のアクセントになっている。そこに、追いワルドシロップをかける。これはシズル感がたまらない。


 ユニークスキル撮影者発動

 焦点距離を40mmにセット。左下に器が見切れる程度に近寄る。右側にはスプーンを主張しすぎない程度に入れる。F値は2.8でピント位置はミントの葉にした。


 カシャ。カシャ。

 角度を変えながら何枚も撮影する。F値を4まで絞ってさらに撮影する。


「綺麗だね。それに瑞々しいよ。あんたのスキルでしか表示できないのは本当に残念だ。これを見せれば、絶対食べにくる人が大勢いるだろうに」

「うーん、紙と赤・青・黄のインクを使って念写なんてできないかな?できないよな〜」


『解。紙の原料となる木材。赤・青・黄・黒の顔料の材料となる石があれば、個体名ソラの魔法創出により印刷が可能となります。』


「え?メーティスさん。それ本当?」

『本当です。』


「ん?メーティスってのは誰だい?」

 どうやら驚きすぎて、普通に喋ってしまったようだ。


「フクさん、木材と色のついた石ってどこかにないかな?」

「木材はかまど用のやつがあるよ。色のついた石なら、大工のガゾに聞いてみな」


 おお、新しい村人出て来たぞ。ガゾさんの家に行ってみる。


「楓様、おはようございます。それにあんたは、神の使徒様じゃねーか」

「おはようございます。アキラです。ガゾさん。色のついた石があるとフクさんに聞いてきました」

「よせよせ、ガゾさんだなんて背中が痒くならぁ。ガゾでいいぞ」

「じゃぁ、ガゾ、色のついた石をくれないか?」

「何に使うんだ?」

「ちょっと説明が難しいんだが、その石で色のついた絵を描くって感じかな?」

「よくわかんねぇが、そこらへんにある石でよけりゃ持ってきな」


 部屋の中をよくみると、大体の色ごとに石が分けてあった。家を建てる際のワンポイントアクセントとして、加工した石を使うらしい。ただ、村が過疎化しているため、家を建てるような大仕事がないと嘆いていた。

 各家の設備の修理などをしているそうだ。


 石を見繕って集める。

「よし、こんなものかな。ガゾ。ありがとう」

「おう、そんなんでいいならいつでもきてくれよ。それから、お前さんが作ったちゅう。ワルドのゼリーじゃったか。ありゃうまかったな。だが、わしは甘いものよりも酒が好きじゃがな。ガハハハハハ」


 エルフなんだが、ドワーフみたいな人だな。


 とりあえず、目的のものが手に入った。


「アキラよ。そろそろ妾の修行の時間じゃ」


 ふむ、師匠が村周りに飽きたらしい。


「さぁ、まずは赤の鳥居の階段を走って登るのじゃ」


 本日の記録:1時間30分

 魔力で体をコントロールする修行:駆け足程度の動きができるようになった。

 魔剣素振り:250回

 風呂上がりに生ワルド


 魔素ちょい残しの生ワルドのおかげで、体力・筋力・魔力の回復が早い。

 このあと印刷に挑戦しよう。


【撮影のすゝめ】(注意:あくまでも作者の主観です)


料理の写真は自然光をうまく使うととても美味しそうに撮れます。

一番メインの料理とそれを引き立てる小物があると映える絵になります。

今回は、シロップの瓶をぼかして撮ることで、メインではないものの、メインを引き立てる脇役として採用しました。

それから、メインの器が画面からはみ出すくらいで撮ると、はみ出した部分に想像力が働きとても雰囲気のある写真になります。

とは言え、目的に合わせて撮影するのが一番です。メニューの写真などは、きっちり全体が写っている方がいいですよね。

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