表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20行ショート  作者: 冬月やまと
42/440

VOL.42 引き寄せの法則(バッド編)

 北条は、身も心も疲れ切った様子で、満員電車に揺られていた。

 毎日、毎日、家と会社の往復だけで、飲みに行くこともない。

 年々給与が下げる一方なので、飲みに行きたくても、金銭的な余裕がないのだ。

 北条は、一体なんのために生きているのか、この頃そればかりを考えていた。

 今日も、疲れた身体を通勤電車の座席に預けて、家路へと着いていた。

 途中で小学生中学年の塾帰りの団体が乗り込んできて、北条の前に固まった。

 彼らの話し声が、北条の眠りを遮る。

 北条は舌打ちしたい気分で、彼らを見た。

 顔はあどけないが、言っていることは大人びている。

 テストの成績、中学受験、果ては大学受験や就職のことまで話している。

 野球やサッカーやテレビのことなど、子供らしい話はまったく出てこない。

 よく見ると、誰もが疲れている顔をして、殆どの子供が分厚い眼鏡をかけている。

 フン、子供のくせに、大人のように疲れた顔をして、なにを言ってやがる。

 北条は、さきほどよりも、もっとイラつきが募った。

 どんなに頑張ったって、所詮、この世の中にいいことなんてひとつもないんだ。

 こいつらが、俺みたいな想いを味わう前に、いっそこんな世の中なんて消えちまえばいいんだ。

 北条が、心の中で毒づく。

 北条がそう思った今まさに、月の半分はあろうかという巨大な隕石が、地球めがけてまっしぐらに接近していた。

 その隕石の落下点は、まさに北条の乗っている電車をめがけていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ