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VOL.38 バベルの塔
「むかしむかし、人間は天まで届く高い塔を建設しようとしてたんだけど、神様が起こって壊しちゃんだって」
兄弟仲良く枕を並べた布団の中で、小学6年の文博は小学3年の弟に、今日先生から聞いた話を語っていた。
兄の話を目を輝かせて聞いてきた弟が、話を終えたあとに無邪気に言った。
「それって、雷が落ちただけじゃないの?」
文博が笑みを浮かべた。
「雷が落ちただけじゃ、石で出来た塔は壊れないよ」
まだまだ幼いなとおみながら、優しく言ってきかせる。
「そっか」
弟が素直に頷く。
「ねえ、おにいちゃん。それって、人間が無理をしたってこと?」
「うん。先生は、無理をしたら、どこかで破たんをきたすって言ってだ」
「破たんって、なに?」
「僕にもよくわからなかった」
「もしかしたら、人工衛星を打ち上げ過ぎちゃって、それが落ちてきったてことじゃない?」
「バカだな。昔に、人工衛星なんてあるわけないだろ」
「それも、そっか」
兄弟が笑い合っているとき、まさに、地球のを周回する無数の人工衛星が、すべて制御を失って、大気圏へ突入しようとしていた。




