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VOL.39 我が名はウルフ
俺は、みんなからウルフと呼ばれている。
なせかって?
強いからに決まってるじゃないか。
俺の向かうところ敵なしなのだ。
俺は、まだ高校3年。
それにして、この強さだ。
将来、どこまでいっちまうんだろう。
俺が本気になれば、世界征服も夢ではない。
みんな、俺の強さに、恐れをなして寄ってこない。
強いというのは、実に孤独なものだ。
俺も、人並みに生まれてくればよかったと思う。
だが、強く生まれてしまったものは仕方がない。
これも宿命と思って、今は受け入れている。
休み時間、直樹は宙に目を這わせ、物憂げな表情で呟いていた。
「まったく、罪なもんだな」
妄想が膨らむにつれ、直樹の独り言は大きくなる。
「またぶつぶつ言ってるぜ、あいつ」
クラスメイトが直樹を見ながら、ひそひそと囁きあっている。
「まったく、いくら弱いからといって、現実逃避もたいがいにすればいいのにな」
クラスメイトのひとりが、顔をしかめた。




