動物侵入
プロ野球の試合中、グラウンドに子猫が迷い込んだ。
たったかたったー、と走っていく子猫。試合は中断だ。球場スタッフたちが保護に動く。
試合中のグラウンドに、猫や犬、鳥などが入り込むことが、たまにある。
選手たちの間を駆け抜けていく子猫。
その様子を客席から見ていた男は考えた。
(動物の侵入か。これを利用すれば・・・・・・)
悪いことを思いつく。
翌日から男は、ある動物を飼い始めた。二匹のスカンクだ。
男は全身を覆う防護服の姿で、スカンクたちに言う。
「いいか、ここで一発かませ! この顔に向かって、おならプーだ!」
壁には、二枚のポスターが貼ってある。ライバル球団の主力選手二人だ。
偶然の動物侵入を装って、この二人に「スカンクのおならプー」で大ダメージを与えるのだ。
主力二人を欠いたライバル球団は、きっと優勝戦線から脱落するだろう。ぐはははははは。
二週間後、今日もいつものようにスカンクたちを訓練していると、玄関のチャイムが鳴った。
「こんな時に誰だよ!」
相手次第では居留守を使おうと思って、防護服姿で玄関へと向かった。
小さなのぞき窓から外を見る。
そこには、二人の警察官の姿があった。
男は動揺する。つい物音を立ててしまった。
「すみませーん、そこにいるんですかー? この辺りで最近、異臭騒ぎが起きていまして、少しお話をうかがいたいんですがー」
次回は「小ブタ」のお話です。




