天敵対策
「また負けたか」
ある球団の上層部は、会議室で頭を抱えていた。
ライバル球団に、ものすごい投手がいるのだ。この投手が相手だと、味方選手たちは急に打てなくなる。まさに「天敵」だ。
これまでにも、さまざまな対策をしてきたのだが、
「先日の試合で十連敗です」
まったく効果がなかった。「天敵」継続中である。
こうなっては、手段を選んではいられない。
「どうやら、あの作戦を使う時がきたようだ」
数日後。
その投手の家に、学生時代の恩師から贈り物が届いた。
何だろう? あの監督、贈り物とかするような人じゃないのに・・・・・・。
大きな箱を開けてみると、そこに入っていたのは、メジャーリーグのグッズが多数。色々なチームのグッズが入っている。
さらに新聞の切り抜きもあった。載っているのは、日本人投手がメジャーリーグで活躍している写真だ。他には、高額年俸の契約を結んで、笑顔になっている写真とか・・・・・・。
その投手が首をかしげていると、ちょうどそこに恩師からの電話がある。
「そうか、届いたか。それは人に頼まれたんだ。すまない、これ以上は話すことができないんだ。察してくれ」
電話は切れてしまった。
その翌日だ。
ある球団の上層部は、会議室で話し合っていた。
「あれで本当に大丈夫なのか?」
「だから、次の作戦も実行する」
今日の試合、あの投手が先発するらしい。
なので、その試合会場に工作員たちを潜入させる。あの投手のファンを装って、「今すぐメジャーで通用する!」「早く世界へ羽ばたけ!」という応援ボードを掲げる予定だ。
ふふふふ。今年のシーズンオフが楽しみだ。
「では、次の議題ですが」
他のライバル球団に、ものすごい打者がいる。この打者に、味方投手たちはホームランを打たれまくっていた。まさに「天敵」である。
これまでにも、さまざまな対策をしてきたのだが、もはや手段を選んではいられない。
「同じ作戦を使うぞ」
ふふふふ。今年のシーズンオフが楽しみだ。
次回は「事前練習」のお話です。




