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二度も親を失った俺は、今日も最強を目指す   作者: SO/N
二十四章 吹いた夢のあと

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四百四十話 離さない




『ハルナ』




「……ミーファ……今、なんて……?」

「…………おねえ、ちゃん……? いや……そんな、わけ……」


 耳を疑った。昨日、初めて喋った相手を……そんな、家族のような呼び方をする彼女に……頭が痛くなった。


「ど、どうしたの? なんで、そんなこと……」

「わ……からない、けど……でも…………ハルナ、私…おかしいのかな。」

「……お、おかしいと、おもっ……!?」




 そりゃ、突拍子が無さすぎるんだ…………無さすぎるのに、なんで………………そんな、()()()()をするの……?



「……なんで、私は…………リリーさんの、こと……」

(ミーファ……なんで、だってリリーさんは、エルサさんの……姉、で………あ、ね……)







『…………ハノ、ン……』


『…………だ、れ……?』







 ……痛い、どうして…………わたしはハルナ……この、ウルス様が、付けてくれた名前……なのに、なんで…知らない人の名前の方が…………心に……



「あ、の……2人は……ふたり、はっ…………」























「2人の、お姉ちゃんだよ。」













ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


















『リリー=ミラスト』




 心臓が、鳴り止まない。緊張と、不確かな事実が……鼓動を動かし続ける。言葉も出なくて……今は、()()()に任せるしかなかった。



「……ミル、さん……アーストさ……ん。」

「…………ウルスから、話は聞いた。君たちは昔、奴隷から救われて……その前のことは覚えていなかったと。そして……数年前、今の君たちと同じ歳で、性別で……精霊と獣人の赤子を拾った家族がいた。」

「ぇっ……」



 踏み出せなかった。それが真実だとして……私は、守られて……今さら、どんな顔をすればいいのか分からなかった。



「……その赤子は、2人の姉に育てられて……でも、その後に盗賊によって攫われてしまった。行方も分からず……諦めることしかできなかったんだ。」

「…………あね……」

「……それで、ウルスくんは旅の途中……奴隷だった2人を…………ミーファちゃんとハルナちゃんを助けた。奴隷になってしまった人は名前も消されて……幼かったから、記憶も……だから……きっと、そうなんだよ。」

「そう……そぅ、ってぇ……」



 自分よりずっとしっかりしてて、気も使えて……優しく育った彼女たちに、『自分が姉だ』と…………言ってしまって良いのだろうか。



「……2人も、気づいたんだろ? 例え記憶が無くとも……体が、心が覚えてるんだ。優しい、2人の姉を……」

「……彼女たちも、()()()って。ずっと……会いたかったんだよ。」



 もう、2人には歩んでいる人生があって……私の存在なんて、いらないんじゃって…………こっちの、ただの一人相撲なんじゃないかって……………







「…………」

(……姉さん。)






 同じ……気持ちなんだろう。




   私たちは双子の姉妹だから…………分かるよ。






何もしてあげられなかった。


        





        一緒に、居てあげられなかった。












    そんな私たちを……姉と、おねえちゃんと呼べないだろう。













『……いなくなったのは()()()ですよ。』






































「……………()()。」


「「……えっ」」



 


 不意に、背中を揃って押され──私たちは、彼女たちの顔を見てしまった。













ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
















『エルサ=ミラスト』









『リリー…優しいままでいてね……』





 





 もう、あの頃の私も……2人もいない。どっちも変わって……それでも、私は…………





「……ミアラ……ハノン…………」

「…………エルサ、お姉ちゃん……」



 ハルナが、私をそう呼んだ。それはとてもぎこちなくて、本人も違和感に戸惑っていたが……その声色と呼び方は、間違いなくハノンだった。






『エルサおねーちゃん、あそぼっ!!』


『わかったわかった、今日はなにしよっか?』






「分かる、かな……ずっと……会いたかったんだ……ごめんね……」

「……覚えて、ない……でも…………で、もぉ……」






 涙が、溢れていた。流して、嬉しくて…………ぎゅっと抱きしめて、頭を撫でてあげた。






「ありがとう……生きててくれて、ほんとに……ありがとぅ……」

「う、うぅ……ぅん……おねぇ、ちゃんっ……おねぇちゃん……!!」






 久しぶりでむずかしくて、でも確かにそこにあって…………






「ミアラ……強くなったねっ……嬉しいよぉ……」

「リ、リー……お姉ちゃん……ひっぐっ……ぁっ……」








 全部、繋がっていて…………やっと、ここまで来れたんだ。



























       「……もう、離さない。」



 

生きてるだけで。

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