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45/60

僕は鶏じゃありません

 総合評価が気がついたら100超えてた。(*´ω`*)

 こんな細々と更新してる作品なのですが、実にありがたやありがたや……。






 待ち合わせ場所である団子屋さんに幽香さんが来たので、勘定を済ませて店を後にした。


 僕の感覚では少しの距離を歩いただけだったけど、その距離を歩いただけで幽香さんは少しストレスを感じている様子だった。僕の隣で正面を見たまま呟いた。



「見られる程度ならいつもの事だけど……、今日はやたらと足止めを食うわね」



 僕にとって知っている顔でも幽香さんにとっては誰彼(だれかれ)に移動の邪魔をされている状態。


 僕の外聞(がいぶん)を気にしてくれて嫌そうな顔をしないでくれていた。



「いつもだったらここまで足が止まる程声をかけられないんだけどね……幽香さんと一緒だからかな」



 僕の言葉を聞いて、ずっと前を向いていた幽香さんが顔ごと視線をこちらに向けてきた。別に怒ったとかそう言う事ではなく、若干拗ねた様な気配だった。



「それじゃ私が悪いみたいじゃない。それとも、私が悪いって言いたかったのかしら?」


「ううん。里の噂で聞いたけど、幽香さんって男の人達に声をかけれないけどって頭に付くんだけど凄い人気だからね。それで僕の方に声をかけてくるんだ、幽香さんとどんな関係なんだって」


「……それなら、私が悪いのではなくて声をかけられない男共が悪いじゃないの。けど、そんな人気が出る様な事をした覚えはないのだけれどね」



 そう言って幽香さんは視線を斜め上に向けて、過去の行動を思い出そうとしていた。けど、こればかりは余程の自信過剰(ナルシスト)じゃないと判らないんだろうね。

 幽香さんは妖怪としての力に自信はある様だけど、こっち方面では疎いみたいで、昔感じた大人のお姉さんの印象と少しギャップを感じて小さく失笑してしまった。



「急に笑って、どうしたのよ」


「いや……、幽香さんって綺麗なんだよ? 何かをしたんじゃなくて、綺麗な人が居た! って感じで密かに人気があるんだ」


「綺麗? 私が?」


「うん」



 そう言ったらキョトンとした顔をする幽香さん。美人だけど、こう言う表情の時は可愛いんだなと思った。



「あはは。今のは可愛い顔だったよ」


「なっ……、もうからかうんじゃないわよ。太助」



 顔を赤く染めた幽香さんに顔を背けられてしまった。


 ……何か変な事を言ってしまったのだろうか? 咲夜と会話していた時も、たまにこんな反応をされる時があった気がする。


 ただ、嫌がっている気配は無いから大丈夫かとは思うけど。


 僕との距離を若干縮めてきた気配に気づきながらそんな事を考えていたら、よくお世話になっている人を前方に見つけた。


 あちらも僕に気がついた様で手を上げて挨拶をしてくれる。



「おお! 太助君じゃないか。それと始めて見る組み合わせだな。風見さんと一緒か」


「慧音先生、こんにちは」


「……今日も元気そうね、上白沢」


「ええ、子供達の見本である為にはまず元気が基本ですからね」



 さっきまで赤かった顔が通常の状態になって先生と挨拶を交わす幽香さん。すぐ顔を赤くする咲夜だったらこうも早く戻らなかった筈。


 と言うか咲夜って何だか目を合わせただけで赤くなる時があるんだよなぁ。体調が悪い訳でも無かったし何だろ。



「風見さんと太助君は知り合いだったのですね。太助君も、実に顔が広いな」



 友人関係を褒められたら嬉しい限りです。思わず頬が緩む僕を先生が優しげな目で見てくる。――と、幽香さんの腕が僕の顔の横から出てきて……抱きしめられた。


 と言うか何故に幽香さんに抱きつかれたの?



「ふふふ」



 いや、ふふふじゃなくて。



「これから、二人っきりになれる所に向かうわ。上白沢もお元気でね」



 そう言うや否や、今度は脇の下から腕を回してきてそのまま浮く幽香さん(と抱っこされた僕)。



「え、あ、ああ。太助君、子供達も楽しみにしているし、近いうちに寺子屋に顔を出してくれたら嬉しい」


「あ、はい。わかりまし」



 たって言い終える前に一気に上空まで幽香さん(と抱っこされた僕)は飛び上がった。



「いい? 飼育された鶏は食べ頃になった時に、初めて食べられるのよ」


「どう言う事なの」



 少しずつ小さくなっていく人里に目を向けながら、久々にあった幽香さんは、何とも判らない事を言うのでした。






 一回書き終えて次の日に誤字脱字衍字チェックした際に後半をまるっと再構成。

 没案になった部分はトコトン没案だったからやっぱ一晩寝かせるのは大事だねぇ。

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