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立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花

 何か繋ぎでしか無い感じになったのを修正しきれず残念。






 幻想郷の外の世界に居た時、読んだ漫画にあった。


 気を探って相手を探す。妖気を探って相手を探す。霊力を探って相手を探す。

 とまぁ、色々と通常では不可能な目的の相手を探す手段が外の世界の漫画にあったんだ。


 だけどこれ、幻想郷ならばさして不可能とは言い切れない。八雲家なんかじゃ自分の居場所と相手の居場所の境い目を曖昧にして繋ぐとか中々お目にかかれない相手探しの方法も出来る。


 だけど、生憎(あいにく)と僕にはまだ相手が発するエネルギーを感じ取るには距離が離れすぎていると実力が足りずに出来ない。

 任意の相手の場所に繋ごうにも、相手を特定して繋げる能力の調整をする為の実力がこれまた足りない。場所と場所だったら出来るんだけどね。

 相手が居ると居ないとでは思った以上に細かい調整が居る。訓練次第だけど。


 そしてそんな誰かを探す術(すべ)がまだ実用レベルに至っていない僕が幽香さんを探す手段と言えばこれ。


 健気な花に伝言を。


 さすがに花の声を聴く事は出来ないけれども、僕の方に意識を傾けてくれているかどうかの気配は判る。だから、花に一声かけてみる。中には無反応のもあるけど、気配を感じた花があれば幽香さんへの伝言を頼むのだ。



「風見(かざみ)幽香(ゆうか)さんに伝えてほしいんだ。八雲太助が会いたがっているって」



 伝えると縦に揺れる花。気配がある通りに花やそれ以外の植物にも人間程に感じ取れないながらも感情があると知っていると、その揺れが返事をしてくれたみたいに見えて可愛く思えた。


 それから三日目のお昼頃。人里の大通りある団子屋さんでお茶を飲んでいると、噂話が聞こえてきた。



「今回も巫女様は早々に解決してくれたねぇ」


「そうだな。この時期には咲かない花が咲いて、妖精達が騒いでよぉ。花は別に良いんだが妖精達は普段は小さい子供みたいだが本気で襲ってきたら一般人にゃ危ないからな」


「そうそう。畑の一部が吹っ飛ばされた時は怖かったもんだが……そこは先生が助けてくれたから良かったもんだわ」



 ……そんなものかぁ。最近戦える力が身についてきて感覚が鈍くなっていたみたいだった。普通の人にとっては妖精でも危ない。調子に乗らず、慢心せず、気を付けよう。



「おいおい、あそこ見ろよ。風見幽香だ。こっちに歩いてきてるぞ」


「お、本当だ。いやぁ力が凄いけど、妖怪の女ってなんでああも綺麗どころが多いんだろな」


「だよなぁ。先生もそうだけど、喧嘩になっても張り合える位の腕っ節が俺にあったら嫁に貰いてえ位だよ」



 そう言えば、外の世界に居た時にネットサーフィン中に見たある一つの説。人間の感情、或いは人間そのものを喰らう妖怪は人間を惑わし誘う為に人間を惹き付ける容姿になっていると言う説。正直、親しくしてもらっている皆を思い出すと全員綺麗だったりかわいらしい容姿ばかりで否定出来ない説だと思った。


 そんな事をなんとなく考えていたら僕の視界が少し暗くなる。と言うかこれ、幽香さんの影だった。



「……ふふっ。貴方から誘っておいて、いざ訪れてみれば考え事に夢中って所かしら?」


「あ……。すみません、幽香さん」



 久しぶりに会った彼女は笑顔で僕を見下ろしているけれど、これで反省出来ない様では駄目だしね。親しき仲にも礼儀ありって諺が残る位だから気をつけなきゃ。



「太助の坊ちゃんの事知らないと、次から次へと綺麗どころを連れてる男って思っちまうなぁ」


「ちげえねぇ! ははは!!」



 何か後ろの方から失礼な事を言われた気がした。






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