第14話
季人の自尊心を犠牲に衣食住の衣を手に入れた。
次は食、季人の好きなもの何でも食べに行く。
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「季人ちゃんは何が食べたいの?」
「ハンバーガー! 牛丼! ステーキ! お寿司! デザートでパフェも!」
「わんぱくね〜そんなにいっぱい食べられる? 今日はどれか1つにしたら?」
「や〜だ〜! 全部食べるの!」
「も〜ワガママなんだから♡」
ハンバーガー。
季人、チーズバーガーセット3個。
千春、てりやきバーガー。
「チーズ好きなの? 3つも飽きない?」
「ぜ〜んぜん。トロトロでちょっと甘くてしょっぱくて、いくらでも食べられちゃう」
「なるほど、粘度が高くて甘じょっぱい……季人ちゃんの唾液みたいね♡」
「え?」
「ん?」
牛丼。
季人、チーズ牛丼特盛温玉のせ。
千春、ネギ玉牛丼並盛。
「ママ〜僕のにも紅しょうがのっけて〜」
「じゃあストップって言ってね。はいじゃんじゃん〜どんどん〜」
「ストップ〜」
「じゃんじゃん〜」
「ちょ、ストップストップ!」
「どんどん〜」
「ママ?! ストップだってば!」
「じゃんじゃんどんどんよっこらせ、はいストップ〜」
「こ〜んな山盛りになっちゃったぁ〜?! 牛丼より多いよ〜!」
「ごめんね、つい楽しくなっちゃって♡ 残したらお店に悪いから全部食べてね?」
「うぅ……紅しょうがの味しかしないよぅ……」
「そのショボンとした顔もまた、イイ♡」
ステーキ。
季人、サーロイン300g。
千春、ヒレ150g。
「む〜! お肉が硬くてナイフでギコギコしても切れないよ〜!」
「ママに任せて、素手でちぎってあげますからね。よいしょ、よいしょ、ブチブチ……はい、サイコロステーキに早変わり」
「わ〜握力の化け物〜」
「全部食べた後、お店にクレーム入れて返金してもらいましょうね」
「態度も化け物〜」
お寿司。
季人、おまかせ50貫(うち、いくら20貫)。
千春、おまかせ10貫。
「ママはお寿司のネタで何が好き? 僕はいくら、プチプチの食感がいいの」
「う〜ん……マグロの赤身かしら。ほどよくサッパリしてておいしいのよね」
「中トロ大トロじゃないんだ。大人だね」
「だって大人だもの♡ 季人ちゃんはまだまだ子どもでカワイイでちゅね〜」
「も〜からかわないで!」
最後にパフェ。
季人、ストロベリースペシャルダイナマイト。
千春、バナナスタンダード。
「おいし〜い! 子どもの夢みたいな食べ物、最高だよ〜!」
「ママのバナナも食べて♡ あ〜ん♡」
「むぐむぐ……ママのバナナ、長くて太くてとってもおいしいよ」
「でしょ? 他のバナナじゃ満足できなくなるかもね♡」
「え?」
「ん?」
「にしても甘くてフワフワでおいしいすぎる〜! 無限にいけちゃうよ、あむあむ」
「んぬぅっ?! 季人ちゃんのクリームがアゴの下まで垂れちゃってるわ! これはいけない、舐め取ってあげないと! ん〜〜〜まっ♡」
「んみゃ? くすぐったいよ〜」
「キレイにしてあげるから動かないで♡ あむっ♡」
「まだ〜?」
「まだまだ♡ ほっぺ、唇、口の中もクリームでいっぱいね♡ はぁむっ、んぶっ、んちゅ〜〜〜♡」
「んっ、んん……ママ……」
「ん〜♡ なぁに?」
「ぷはっ、長いよ〜! ママの顔が邪魔でパフェ食べれないから! もう終わり!」
「えぇっ?! ここまでシておいておあずけぇ?! そんなぁぁぁーーーっ!」
「大声出してもダメ! 今は食べるのに集中集中!」
「ウェェェ〜〜〜ン(泣)」