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不登校男子、半サキュバス♀転生-お人好し中学生キズナがネガティヴ女子高校生を救って溺愛されてく話-  作者: 東山スバル
シーズン3 I Want It All-すべてを求めて-

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063 反魔術師活動

「キズナちゃん!?」

「ぼく、もうここから動かない」


 なんで評定金額が上がったのに、良く分からない組織に追われないとならないのか。キズナの文句とは、すなわちそこだった。ふて寝でもしなければやっていられない、というのもキズナの結論であった。


「キズナ、そんなに落ち込むな。ほら、〝バウンティ・ギルト〟についてしっかり説明してやるからよ」


 そういう状況下でも、ルーシはセールスマンみたいな態度を崩さない。彼女はつらつらと語りだした。


 まず、〝バウンティ・ギルト〟は魔術が使えない連中の立ち上げた反魔術師運動であり、彼らは魔法の代わりにロスト・エンジェルスの最新兵器で武装している。一方、中には魔術を使える者もいるという。カネを稼げればそれで良い、という考えなのだろう。

 それに加え、〝バウンティ・ギルト〟は転生者をとても恨んでいる。キズナとルーシが闘い、虐殺したセブン・スターズの予備生のように。

 転生者はなんら努力せずに途轍もない魔術を使えるという、連邦全域へまことしやかに広がっている〝風説の流布〟が、彼らの中では定説なのだ。つまり、陰謀論的な考えを持っているといえるだろう。

 しかし当然、なにも持たずにロスト・エンジェルスへ転生してくる連中もいる。キズナやルーシは持っている者として転生してきたわけだが、全員が全員そうというわけではない。すなわち、彼らの理論は端から崩壊している。

 出資元は、この運動に参加している者のカンパで補われている。その中には富裕層もいて、それが故、評定金額の1パーセントという金額を支払える。キズナの場合であれば、1000万メニーという大金を。

 では、魔術師ライセンスを持つキズナやルーシ、1億メニーの評定金額がかけられているメントはどうすれば良いか。

 答えは単純なものである。


「キズナ、私の話をしっかり訊いたか?」

「ああ、うん」

「連中の資金は表に出せない。この国の魔術師率は7割を超えている上に、つい最近連邦政府から破壊活動団体に指定されたばかりだからな。となれば、資金を燃やしちまえば良い」


 ルーシはキズナの毛布を取っ払い、彼女の胸を軽く叩く。


「といっても、〝バウンティ・ギルト〟はボスすら曖昧だ。うまく隠れているわけだな。ヘタレらしい考えだよ」

「じゃあ、どうするのさ」

「私の盟友に、クラッキングが得意なヤツがいる。オマエ、あした退院だろ? だったら、ソイツの家へ向かうぞ。住所と連絡先を渡しておく」


 ルーシはキズナのスマホにメッセージを送った。


「そこのお嬢さん方はどうするつもりだい?」


 そんな中、ルーシはアーテルとイブに向き直す。


「別にどうしたって構わんが、ひとつだけ言っておくぞ。キズナを大事に思うのなら、君たちにだってできることはある」


 アーテルとイブは目をあわせ合う。

 そして、


「キズナちゃんは大事な後輩です。私にできることがあるなら、なんでも言ってください」

「右に同感よ。見過ごすわけにはいかないわ」


 彼女たちは、あくまでも先輩として、自らの役割に順ずる腹積もりを決めた。


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