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不登校男子、半サキュバス♀転生-お人好し中学生キズナがネガティヴ女子高校生を救って溺愛されてく話-  作者: 東山統星
シーズン2 Stone Cold Crazy-息の続く限り動き回れ-

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044 大間抜けじゃない

「随分機嫌が良いね」

「むしろオマエの機嫌が悪すぎるんだよ。笑っていれば良いことあるぞ?」

「どうだろーね」

「ま、模範解答がない質問だし、オマエの考えが知れて良かったよ」

「これだけで分かるものなの?」

「分かるさ。これから3日間みっちり鍛えるんだし」

「そりゃ、そうだけどさ」

「ところで、キズナ」ルーシはスマートフォンを取り出し、「コイツらを知っているか? アーテル・デビルとイブっていう、オマエの通っている学園の評定1位と2位だ」

 特に隠す理由もないので、「あるけど」とキズナは即答した。

「なら、なおさら良い」


 どこか意味深長な態度だった。キズナは頭をかしげる。


「このヒトたちがなにか関係あるの?」

「あるよ。オマエが“カイザ・マギア”を使ってしまったヤツと、それを察知できなかった大間抜けだ。そうだろう?」

「ひとつ訂正してよ」

「なにを?」

「アーテル先輩は大間抜けなんかじゃない」


 ルーシは苦笑いにも近い破顔を見せてくる。

 だが、アーテルに対する評価だけは許せない。彼女はなにも悪いことをしていないのに、間抜けと言われる筋合いはないからだ。


「分かったよ、そんな睨むな。可愛い顔が台無しだ」

「うん」

「オマエ、感情が読めないなぁ。普通、喜んだり怒ったりするものだぜ?」

「どっちの感情も沸かないよ。顔が良いに越したことはないけど、それがすべてじゃないし」

「いよいよ愉快なヤツだ。ああ、話の腰を折っちまったな。端的に言おう。いまから向かう無人島にコイツらもいる。仲良くやれよ?」

「へ?」

「仕方ないだろ。オマエの先生のひとり、ホープを仲介に頼まれたんだよ。私たちを強くしてください、ってな」

「なんで?」

「理由は当人らに聞け。私はオマエらを短期で強くするだけだしなぁ」


 どうせ種も仕掛けも分かっているだろうに、ルーシはしらを切る。ただ同時に、この銀髪で葉巻愛好家の少女がわざわざアーテルとイブの名前を出したというからには、本当にふたりも合流するようだ。


「ま、着いてみれば分かるさ。ただ覚悟しろよ? 私の特訓は厳しいからな?」

「嫌だなぁ」

「あのふたりと同じことを語り合うだろうさ」


 *


 キズナとルーシは、ヘリコプターの停まるポートへたどり着いた。特に飾り気のない、普通のヘリポートである。ヘリ自体も民間用(種類なんて知らないが)のものだ。

 そして、ルーシの宣告通り、そこには長い黒髪の少女と短い白髮の少女がいた。


(まだぼくがいるって気がついてないな)


 こうして見てみると、対照的な髪色と長さだ。顔立ちは同じくらい整っているし、身長も同じくらいだが、性格などを鑑みると好対照なふたりとも感じる。


「よう。ルーシ・レイノルズだ。そして……」


 そんな中、ルーシがキズナを引き連れる形でふたりの前に現れた。


「え?」

「え?」

「はい」


 キズナは見事にハウリングしたふたりの先輩へ、軽く手を振った。

不定期更新になって申し訳ないです……

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