16話:不死
俺は、ある、一冊の本に目を通していた。それは、いつものラノベでも漫画でもない。その本の名前は、「――の研究」。それを読む理由は、まあ、いろいろある。しかし、いろいろと面白いことが分かるものだ。この本から学んだことは、
天螺。永久日天螺。その力は、無窮の力。そして、吸血鬼伝説の大本の魔法。吸血鬼を作り上げた魔法である。
吸血鬼。それは、人間の血を吸う、不老不死の妖怪。しかし、それは、あくまで伝説上の話。実際は、人間の血は吸わない。太陽の光も平気。流れる水も平気。にんにくも平気。それが、実際の吸血鬼。いや、正確にいうなれば、不死身の化け物、か。吸血鬼の生み出し方だが、それは、簡単だ。「無窮の魔法」の一つ、「永久」を他人に掛けるだけ。それだけで、不死身の化け物は生まれる。
さて、ここからの話。太陽が弱点と言う話だが、それは、所謂魔法解除の時に発生する光だとか、魔法を解除したときに砂のようになって消えたが、それが何のおかげか分からず、太陽のおかげにしたとか、諸説ある。次に、流れる水云々。まあ、そりゃ、外国の海に落ちたら助からんわな。不死身だとしても、永遠に海の底。もしくは遠くに流される。にんにくなんて個人の好き嫌いだ。と、まあ、こんな感じで吸血鬼について説明をつけた。
さて、不死身の人間がこれほど簡単に作れるなら、世の中、不死身だらけになるのではないか。そんな考えが浮かぶ。しかし、それは、違う。あくまで、魔法によって不死身になった奴等は、一時期、ある「無窮の魔法」使いによって一掃されたのだ。不死身を殺せるのは「無窮の魔法」使いだけ。そうして、残った不死身の吸血鬼は、ほぼ活動できないようになっている。
そんな吸血鬼を一掃した「無窮の魔法」使いの名は、「永久日天理」。永久日天螺の祖母にして、何者のかの手によって殺された。「無窮の魔法」使いが殺されるなんて言う異常。それが何故起きたのかは分かっていない。ただ、天理は死の前にこう言っていたそうだ。
「四度の終わりが訪れる。最初は、天に、次に始まり、消える。最後に来る終焉」
俺は、それが表していることを予想として立ててみた。
最初は天に、とは、天にあるものを指す。つまり、月と太陽。月の魔法と太陽の魔法。
次に始まり、とは、始まりのことを指す。つまり、始まりの魔法使いと終焉の戦いだ。
消える、とは、零の魔法のことを指す。つまり、俺と天螺、二人の魔法のことだ。
最後に来る終焉とは、自然の終焉。
これが四度の終わりを示している。つまり、次に起こるのは、始まりと終焉の戦い。まあ、終焉は今、弱っているだろうから、つぶす頃合っちゃあ頃合だよな。
まあ、なんにせよ、これからは、魔法大戦でも起きるんじゃねえのってくらい忙しくなりそうだな。
しかし、「始まりの魔法」使いか……。どんな奴なんだろうな……。




