表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

何気ない日々を終わりまで


絶対に婚約期間を置くと譲らない公爵の要望を渋々受け入れ、二年は婚約期間とした。


気が変われば撤回できるように、という気遣いは有難いが、少々心配性が過ぎると思う。

その間に長兄に爵位を譲り、婚姻後の住居と事業の拠点を確保できたから、無駄ではなかったけれど。


結婚後は、領地の別荘の一つを改装して、工房と執務棟を併設した事業拠点兼住居にした。

抜け目のない婚約者は、夫の死後も結子が相続できるよう整えてくれた。


婚約期間中は、社交界でもあれこれひそひそとつつかれたが、別に血縁がないので問題はない。

一度、母方の伯爵家に書類上のみ養子となってから、届出を出した。

両親の離縁で切れかけた縁を結び直せたので、互いの家にとってはいい着地点だった。


そして、そろそろ結婚するかという時になって、式の話題が出たのだが。

生前に盛大な結婚式を挙げた際、準備だけで疲労困憊した記憶のせいで届出だけでいいと言ったら、夫がムキになってしまった。


過去の夫とは盛大に祝った、というのが気に入らなかったようだ。

相変わらず、よくわからない人である。


結局、領民を巻き込んだ領地中の祝いにはなったが、面倒事はすべて夫がやってくれた。


ちなみに、母は領地内の修道院で相当激昂し大荒れしたようだが、彼女にとって一番ダメージのある方法だったのではと少し溜飲が下がったのは、結子だけの秘密だ。





結婚して十年。

日々は忙しくも、穏やかに流れている。


バルコニーでルネの入れた紅茶を飲みながら、結子は庭で遊ぶ我が子の姿を眺めていた。

コルネリアが憧れ続けた金髪碧眼と、夫そっくりの面差し。


五つを数える娘は、歩き出したばかりのルネの息子の手を引いて、太陽のように笑顔を咲かせる。


「おとうさま!」


両手を広げる背中は、歳を重ねて少し痩せたものの、未だ逞しく頼りがいがある。


「ゆっくりおいで、カーネリア」


こちらからは見えないが、きっと夫はあたたかく柔らかい碧い瞳を和ませて、娘たちを待っている。














お粗末様でございましたm(*_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ