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第3話

 聖香は神社の入り口にある駐車場に辿り着いた。

 社と境内は小高い山の上にあり、駐車場から公園を横切った先に境内に向かう石段がある。 

 聖香の記憶では、正月以外は閑散としている駐車場だが、マイクロバス2台や黒塗りのセダンが1台が止まっている。

 聖香は、ふと公園の向こう側に何か違和感を感じる。 


 聖香は神社に結界が張られている事に気づく。

 これは手記に書いてあった結界なのだろう。かなり強力だ。

 おそらく聖香と同じくらいの実力者、すなわち世界最強の能力者が張り巡せたものだ。

 見るだけでわかる。

 あれは檻であり壁であり、そして特定のものを痛めつける茨だ。

 あの中に匣を持っていけば、封印が解けても匣神は外へ出ることは不可能だろう。 


聖香:「すごい力……!たしかに、ここでなら……」

聖香: 結界の張られている方へと急ぎます 


 聖香は匣の異変を感じていた。

 男と対峙した後から

 匣に異変が起きる。

 カタ、カタ、カタカタ

 匣が独りでに震えだした。 

 さらに神社に来るまでに

 匣から何か何か音が聞こえる。

 よく耳を澄ましてみると、匣の中から奇妙な声が聞こえてくることに気づく。 


 聖香が結界のほうに向かうと

 公園のベンチに20歳前後と思われる眼鏡美少女が座っている。

 聖香に気づくと、厳しい目で聖香を見る。 

 カジュアルな服装を着たスレンダーな体つきの少女。

 白い髪をツインテールにし丸眼鏡をかけ、優しそうな笑顔を浮かべている。 

 

少女:「アナタが今の匣神さまの持ち主ね」

少女:「その匣神を返しなさい。それはボクのもの……」


 少女は途中で言葉を止める。

 少女は目を見開き、聖香を見つめている。


少女:「アナタは……、長南さん……」


 聖香も思い出す。

 いろいろと変わってるが、先ほど聖香が思い出した少女「前岡美穂」の面影があった。 


聖香:「あなたは……そんな、まさか……。前岡さん……」一瞬、現実を拒絶して脱力し、目の前の少女を見つめます


美穂:「ねえ、その匣は、ボクの所属する教団の大切な匣なの」

美穂:「それをどうして長南さんが持っているの」

美穂:「匣神様をボクに返してくれないかな?」

 

聖香:「だめ……これだけは渡せない。聖香は利用されているだけなの」強い目でまっすぐに相対してそう答えます


美穂:「利用されてなんかない」

美穂:「それがないと、ボクはダメなの、ボクは匣神様があるから許されるんだ」


聖香:「そんなことない!こんなものが無くたって、あなたはあなただから……」


美穂:「そんなことない! 匣神様がいるから、ボクが巫女だから、今までの罪は許されてきたんだ」


 美穂がポシェットから銀色に輝く銃を取り出し、慣れた様子でスライドを引き、銃弾を込めると聖香に銃口を向ける。


美穂:「手荒な真似はしたくないの。お願い、匣を返して」


 その銃口は小刻みに揺れていた 


聖香:「巫女でなんかなくたって、あなたはあなた自身を許すことができる。だから、あなたの本当の気持ちと、向き合ってみて……!」恐れずに歩み寄ります


 美穂は銃を突きつけるが、引き鉄はひかれなかった。

。やがれ、美穂はため息を一つつくと、銃を放り捨てます。


美穂:「長南さんは、ボクを信じてくれるの?」


聖香:「信じます。だって、友達ですもの。もしあなたが自分を許せなくても、私があなたを許します」


美穂:「ありがとう、長南さん、あなたなら……」

美穂:「なら、ボクの魅力であなたを支配してみせる」


 美穂が呪文の詠唱を開始する。


美穂:「隷属の刺青、支配の王冠、暗愚な民衆は虚無の瞳に喜悦の笑みを浮かべる」

美穂:「ボクが命じる。匣神をボクに渡しなさい」


 胸元の十字架のペンダントを握りしめながら、支配の魔術を聖香に放つ!

 

聖香:ではまっすぐに見つめたまま、ヒーリングライトの光で魔術的な支配を浄化します


 美穂の放った渾身の魔力は、聖なる光に阻まれ消滅する。


美穂:「そんなボクの魔術が……」十字架を握りしめながら茫然とします。


 匣もどんどん変化が起きている。

 匣の中からドンドンドンと匣を叩く音が聞こえる。

 まるで中から何者かが出ていこうとしているようだ。

 そればかりではない……

 匣の蓋が微かに開く、もう限界だ。

 中に何かいる。

 おぞましい何かが…… 


 その神話生物バケモノの名は「シュブ=ニグラス」と言った。


聖香:「もう、いいのよ……大丈夫。さ、急ごう。これを早く封印しないと、みんなが困るから……」

聖香:呪符の用意をして結界の方へと急ぎます 



 その時であった。

 匣神が激しく動き、その蓋が開く。

 触手があふれ出すと、美穂にに向かっていく。


美穂:「ああ、匣神様……」


 触手がヒロインに覆いかぶさり、包み込んでいく。


美穂:「ああああ、匣神様がボクと一つになっていく……」


 十字架を握りしめながら、恍惚とした様子で呟いています。


聖香:間に割り込み、呪符で封じ込めようとします


 呪符の魔力が放たれると、触手が美穂から離れていく。


 だが、匣は限界のようであった。

 匣が砕け、中から雲状の塊が現れる。


 その塊には山羊のように蹄の生えた黒い四肢が生え、塊のなかから、無数の触手が現れ消えていく。

 その触手の先端には口が生えており、飢えているのか涎を垂らしている。

 それは食らうもの、孕むもの、そして生み出すもの 

 そのために、まず彼女は周囲の生物を食らい尽くすのだ。


 そのおぞましい姿を見て、十字架を握りしめたまま、発狂したかのように叫びながら美穂は笑っていた……。


聖香:「くっ……!渡さない、この子だけは!」

聖香:剣を構えて彼女を守るように立ちふさがります 


 巫女と融合できず、匣に封印された状態では、完全には程遠い状態であった。

 だが、一瞬であるのなら、其の力を解放できる。 


EM:【障壁判定】を開始します。


 霧から現れた無数の触手が聖香にむかって、次から次へと襲い掛かります。


EM:【異能(甲):匣神(6)】+【闇の者(2)】 

EM:8+2D6

(コロコロ)8+7[5,2] > 15

EM:【異能(甲):匣神(6)】は弱点があり、弱点をつくロールをすると使用できなくなります。


聖香:【能力3:無限調達[霊的物質]】で地面から防壁を生やして触手の攻撃を防ぎつつ

聖香:【能力2:ヒーリングライト[浄化]】で霧を浄化して

聖香:【能力1:気合と根性[肉体能力]】で【能力4:聖剣レイシス[魔剣]】を振るい、触手を斬り落とします。


【能力1:気合と根性[肉体能力]】

 ジム通いで得た健康的な身体。柔軟で敏捷、力強い身体能力に加え、三日三晩に及ぶデスマーチにも耐え、ついでにお酒も強い。


EM:【能力3:無限調達[霊的物質]】の対価はどうします?


聖香:使える金銭のほか体力と精神力で負担を分散させます

聖香:2d6+10(コロコロ) 4[2,2]+10 > 14


EM:では、弱点は封印できませんでした。


 聖剣が匣神を切り裂くが数が多すぎて、ダメージが入っているようには見えなかった。


【EP】6→5 

【聖香の力】9→6



 本気を出せば何とか滅ぼせそうだが……

 そんな中、残り一画になった呪符が熱くなっていることに聖香は気づく。


聖香:「使い切る……?倒す気なら、今ここで……!」

聖香:最後の呪符の魔力で隙を作って攻撃しようとします 


EM:最後の【障壁判定】を開始します。


聖香:呪符で怯ませて、その隙に本体を【能力4:聖剣レイシス[魔剣]】で両断します


EM:呪符は組み合わせ消費しないので、もう1つなら組み合わせでもゲームの敗北にはなりませんよ


聖香:では【能力3:無限調達[霊的物質]】でジェットパックを生成して突撃力を向上させます

聖香:2d6+7

(コロコロ) 4[3,1]+7 > 11


 呪符の力で匣神の力が封じられる。

 だが、シュブ=ニグラスはその体をなんとか動かして体当たりをしようとする。

EM:ドラマチック(3)「神話生物」

EM:2D6+3(コロコロ) 6[1,5]+3 > 9


【EP】5→2 

【聖香の力】6→5



 背中に装備されたジェットパックで加速した聖香の放った一撃がシュブ=ニグラスを切りさく。

 完全に滅ぼすことはできなかったが、その傷は深い、放たれる魔力も弱々しいものになっていた。

 弱体化したシュブ=ニグラスは逃げようとするが……


 神社のほうから放たれた無数の呪符がシュブ=ニグラスに襲い掛かった。

 弱体化した魔力では対抗することもできず、シュブ=ニグラスは消滅する。

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