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ありきたりな新生活と成長

一通りエリーに事情を説明しクロ達が妖精鄉から出てきた経緯などを話した

全て話し終わったタイミングでエリーが

「つまりクロ様がこの世界に突然来たのは運命...やっぱり私の王子様...えへへ...」

とか言っていたがなんのことだろう

まぁいいや

「それでクロ様はこれからどうするつもりなのですか?」

エリーの質問に対しクロは少し考える仕草をした

そして

「ところでエリーに質問なんだけどさ」


「はい!?私はまだ処女です!!」


「え?」


「はい!?」


「え、あ、いやとりあえず今のは聞かなかったことにするとして質問なんだけど(なんでいきなり処女なのをカミングアウトしたんだ?)

人間の事情について教えてくれないか?」


「人間の事情?ですか?」


「魔王に対する姿勢だとかユニークスキルを持つものの扱いとか」


「人間の魔王に対する姿勢というか人間は全ての魔物に対して敵対しています

エルフや小人、獣人なんかは亜人と呼ばれていたりしますが差別的な考えを持っている人も少なくありません

ユニークスキルを持っている人の扱いは結構すごいですよ...ユニークスキルを持っている冒険者は無条件でBランク以上の強さと認定されるくらいですしスキルの能力によっては勇者と呼ばれ王都に連れていかれたりして勇者としての英才教育をされたりするそうです」


「ふむ...ならやっぱり人間の街に行くのはなしだな」


「それはどうしてですか?」


「言ってなかったけど俺はユニークスキル2つ持ってるんだよね」


「え??2つですか!?ここ数十年ユニークスキルを複数持つ人間がいたなんて情報なかったですよ」


「俺は別に勇者なんかなりたくないからな勇者って言ったらあれだろ?人間は魔物全てを嫌ってるらしいし魔王討伐とかに行かされるんだろ?そういうの興味無いしできるならミリティみたいに魔王さんとは仲良く穏便に済ませたいんだわ

それにエリーの言ってることが本当ならユニークスキル2つも持ってる俺が人間の街に行こうもんなら騒ぎどころじゃ無くなるだろうしな」


「でも...クロ様ほどの実力者が...」


「俺はそんな大したことないよ

ユニークスキル2つっても1つはまだどんな能力か分からないしな」


「そうなんですか...いえ!私はクロ様について行きます」


「そうか」


「んでクロは人間の街に行かないのならどうするつもりなわけ?」

ミリティが気になったのか質問してくる


「うーんまぁとりあえずこの廃教会で暮らそうかなーって思うよ

幸いラリクマ達は結構綺麗に使っていたようだし暮らしていくのに不便も無さそうだしビーレギオン達も森以外の場所に巣を作るとなると大変かもしれないしここらへんに新たな巣を作ってもらうのかいいんじゃないかな」


『我らのことまで気遣って頂けるとはさすがクロ様は違いますわ

お気遣いありがとうございます』


思念会話で瑠璃姫が感謝を述べる


ミリティはと言うとこの廃教会での暮らしを想像しているのかワクワクしているようだ


シルさんは早速ここで暮らす上での食糧事情などを考え出しているようだ


エリーは「ここがしばらくは私とクロ様の愛の巣...地下には牢獄...もしかしてクロ様はそういうプレイをお望み?!いえ...クロ様がしたいと言うのならば私は喜んで牢獄に入りますわ...えへへ」


なにか小声で言っているようだがそういえばエリーはこの場所にトラウマとかあったりするのだろうか...

そう思ったがエリーの顔が笑顔でなにかを呟いているのを見て大丈夫そうだなと思い切り捨てた


特にここで暮らすのが不満な者はいないようで安心した


とまぁそんな感じでラリクマ盗賊団の元アジトがクロ達の拠点になって1週間が経った


ビーレギオン達は廃教会の中にまで伸びてきていた木の枝に新たに巣を作り始めて瑠璃姫は仲間を増やすため既に産卵しているようだ

現状について1日に必ず1回思念会話で報告を受ける

あと1週間もすれば次々と新たなビーレギオン達が誕生するそうだ

名を与えたビーレギオン達はそれぞれ餌を集めてきたり巣の材料を集めてきたりで忙しそうだ


シルさんとクロで毎日狩りに出かけて魔獣の肉を食べる

いちおう野菜とかも食べないと気になるので植物を栽培し始めた

もともとシルさんは妖精鄉の中とはいえ森で暮らしていたため植物の知識は豊富で食べられる植物を見つけてはその種を採取してきて廃教会の傍に菜園を作っていた


ミリティはというと最初の方は新しい生活を楽しんでいたものの少し飽きてきたのか毎日暇そうにしている


エリーは毎晩クロに下着姿で夜這いを仕掛けて誘惑しようとしているが「なんだやっぱりここであったことがトラウマになってるのかおいで」と全然違う勘違いをされ普通に抱きしめられて寝ている

ちょっと違うけど幸せだから問題ない!とエリー自身満足している様子


まだ1週間だがしばらくは平和な日々が続きそうだなと思っていたのだが暇そうにしていたミリティが急に何かを思いついたようで満面の笑みでクロに話しかけてきた


「クロ!!この辺りの森を探検するわよ!」


「はぁ?なんでだ?」


「ヤマタの森って結構出てくる魔物も強いしあんまり近寄る人も魔族もいないからいろいろと未開拓なのよ!!だから探検するのよ!!」


ミリティが言い出したらシルさんも賛同し出したのでこの日は早めに寝て明日みんなでヤマタの森を探検することになったのだった


___________________________________________



「さぁ!!今日はヤマタの森を探検するのよ!!!」


ミリティが意気揚々といろいろ話している


「そんでミリティはどこに探検にいきたいんだ?」


「多分ここから北側には人間の街があるから北側はもう探索されてると思うの!

だから南側に行くわ!南側にはより強力な魔物とかも出ると思うけどクロなら余裕だから安心して

そういえば探検に行くって話をしてたら紅がお供したいって言ってたから付いてくることになってるわよ」


「今日はクロ様の護衛をと思いましてビーレギオンの中で会議を行い私が付いていくことになりました!」


とそこにいたのは普段見ているビーレギオン達よりも2回りほど大きいビーレギオンだ

しかも思念会話じゃなくて普通に会話している


「紅どうしたんだ?なんか体が大きくなってないか?それに普通に会話できるようになってるし」


「これはビーレギオンの巣の規模が増しまだまだ赤子ではありますが子供達もたくさん瑠璃姫様が作ってくれているため個体数が増えたことによる成長ですかね

クロ様の配下になる前はミリティ様と同じくらいの大きさでした」


「そうなのか...そんなでかくなるのか

まぁそれはいいとして助けたこっちからすればまた息を吹き返してくれて何よりだよ」


「ありがとうございますクロ様」


「まぁそういう事だから私とシル、クロにエリー、紅で行くことになるわ

この探検で死人が出てしまうかもしれないわ...でも大丈夫よ!私がいるからね!!!」


「むしろ不安しかないんだが...」


「なんでよ!!私は魔王よ!!強いのよ!!」


「お前が戦ってるところ見たことないからな」


「そ、それはあれよ!私が出るまでもないから後ろで見てるのよ!」


「まぁそういうことにしといてやるか

ミリティは最強だーぱちぱちぱちぱち」


「今こそ魔王の暴力をクロに使う時がきたようね...」


「お?やるか?」


「おやめくださいミリティ様

3秒で負けます!」


「ちょっとシル!!さすがに3秒はないわよ!1分はもつわ!!」


「とりあえずミリティはやっぱり戦力にならなさそうだな」


「ちなみにエリーちゃんは戦えるの?」


「小さい頃護衛術として少しだけ剣術や体術を習いましたがその程度ですね

それにここの魔物は強いからさすがに戦力にはならないと思います

あ!回復魔法は使えますのでクロ様が傷ついたらすぐに治してあげますね!!」


「それじゃあ!!レッツ探検!!!とりあえず南に向かうわよ!!」


4人と1匹はヤマタの森を南に進んでいく

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