好きな花
冷淡な少女
雨の日に道で見かけた少女はとても笑顔が可憐だった。あの日から少女の笑顔が頭から離れない。彼女の事をいつでも見ていたかった。ずっと。
少女が僕の手の中だけで生きてくれればいいのにと思っていた。
でも、本当に欲しいのその表情じゃない。
僕は物足りなかった。
少女には《冷淡》《無情》の表情の方が似合うと思った。
きっと少女を笑顔にしているのはあの男だろうと僕は考えた。
男を殺すのは簡単だった。
でも、如何に少女から笑顔を奪うのかそれを考えるのが難しかった。
そうだ。この男を利用しよう。
僕はダンボールに切断した男を分けて入れた
。
切断した死体だけを入れるにはプレゼントとしては殺風景過ぎる。
僕は僕の好きな青色の紫陽花を入れた。青色の紫陽花は《冷淡》《無情》《傲慢》という花言葉がある。
少女もこの言葉通り、笑顔が無くなり、無情になってくれればいいと。
そして僕の元にずっといてくれればいいと。
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少女が屋上に来た。
僕が目指していた表情をして、少女にはもう笑顔がない。僕の理想通り。
笑顔の少女より美しく可憐だった。
しかし、少女は僕のものにならないという。
なぜだ?それが不思議でたまらない。
僕がおかしいのか?そんな訳ない。僕は正しい。
そんな事を考えていたら、少女は屋上の端にいた。そうして僕にこういった。
「貴方は私を捕まえられない。一生ね。」
彼女は笑顔でその言葉を口にした。
やめろ。やめてくれ。
その笑顔で終わらせないでくれ。
僕の頭から少女の笑顔が離れない。
鼻に残る僕の好きな青色の紫陽花の香り。僕はきっと少女から逃れられない。
僕の心をぐちゃぐちゃにかき乱していく少女は青色よりもピンクの方が似合っていたのだろうか。
今まで読んでいただきありがとうございます。
処女作なのでとても短くなっています。
感想を頂ければものすごく嬉しいです!!